株式明日の戦略-大幅安も25日線は意識、あすは三連休前で波乱含み

 9日の日経平均は大幅続落。終値は375円安の39605円。8日の米国株はまちまちかつ小動きとなったが、ナスダック安が嫌気されて下落スタート。開始早々に下げ幅を3桁に広げると、しばらく下値模索が続いた。ここ数日の動きが良かった半導体株も含めて、幅広い銘柄が売りに押された。600円近く下げて39300円台に入ったところで売りは一巡し、13時以降は値を戻した。安値(39385円)からは200円以上水準を切り上げたものの、300円を超える下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆3200億円。業種別ではプラスはその他製品、医薬品、不動産の3業種のみ。一方、海運、卸売、保険などの下げが大きかった。伊藤忠<8001.T>との業務提携を発表したくふうカンパニーホールディングス<4376.T>が急騰。半面、12月の米国の既存店総売上が前年割れとなったラウンドワン<4680.T>が後場に入って大きく値を崩した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり332/値下がり1277。主力どころでは任天堂、楽天G、サンリオなどが逆行高。決算発表を前にファーストリテイリングがプラスで終えた。証券会社が目標株価を引き上げたアシックスが大幅高。決算が好感されたワールド、ハニーズHD、ウエルシアHDが買いを集めた。

 一方、売買代金上位の常連銘柄の多くが弱く、中でもレーザーテックやフジクラが大幅安。日本郵船など海運大手3社がそろって大きな下げとなったほか、業種ではマツダや日産自動車など自動車株も軒並み安となった。業績関連では1Q決算が失望を誘ったマニーやサイゼリヤが急落した。

 日経平均は大幅続落。大型株が下げを主導するさえない1日となった。ただ、安値は39385円で、地合いが悪い中でも25日線(39368円、9日時点)付近では押し目買いが入った。本日の米国はジミー・カーター元大統領の国民追悼の日により株式市場が休場で、債券市場は短縮取引となる。海外からの材料は乏しくなるが、SQ日、米12月雇用統計の発表前、三連休前で、様々な思惑が入り交じりやすい1日となる。ファーストリテイリング<9983.T>の決算も消化する。きょうの大幅安で過熱感が削がれてあすは買いが入るのではないかとみているが、ドル円の値動きが荒くなった場合などは、米雇用統計を前にリスク回避姿勢が強まる可能性もある。下に振れた場合には25日線がサポートとして機能するかどうかに注意を払っておきたい。
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