ニューヨーク外国為替市場概況・16日 ドル円、続落

 16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は155.16円と前営業日NY終値(156.47円)と比べて1円31銭程度のドル安水準だった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.68%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時156.35円付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値156.52円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「3月利下げの可能性が排除されるとは考えていない」「インフレの動向次第では今年最大3-4回の利下げがあり得る」などと発言すると、米10年債利回りが4.58%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.10円と昨年12月19日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
 本日アジア時間には「日銀は来週の金融政策決定会合でトランプ次期米政権の影響が限定的なら利上げの公算大」との一部報道が伝わった。日銀による追加利上げ観測の高まりを背景に円買いが入りやすい面もあった。

 ユーロドルは小反発。終値は1.0301ドルと前営業日NY終値(1.0289ドル)と比べて0.0012ドル程度のユーロ高水準だった。欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0261ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0260ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ウォラーFRB理事が「インフレ抑制傾向が続く場合、早期利下げの可能性がある」との考えを示すと、米長期金利の低下とともにドル売りがさらに強まった。2時30分前には一時1.0315ドルと日通し高値を更新した。
 なお、この日発表の12月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となった一方、1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想を大幅に上回るなど、強弱入り混じる結果となった。

 ユーロ円は続落。終値は159.85円と前営業日NY終値(160.99円)と比べて1円14銭程度のユーロ安水準。日銀による追加利上げへの思惑から円買い・ユーロ売りが進行。取引終了間際には一時159.77円付近まで値を下げ、アジア時間に付けた日通し安値159.75円に迫った。

本日の参考レンジ
ドル円:155.10円 - 156.52円
ユーロドル:1.0261ドル - 1.0315ドル
ユーロ円:159.75円 - 161.09円

(中村)
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