NY為替見通し=ドル円、米雇用統計次第で大きな振れも念頭に

 今週のドル円は昨日まで4日続落し、本日も一時151円割れと昨年12月10日以来の安値をつけている。週明けの3日の高値155.89円から5円近く下落しており、週末も続落して取引を終えるかどうかは1月米雇用統計の結果次第になりそうだ。

 今週はトランプ米政権がメキシコ・カナダへの関税を延期し、関税への過度な警戒感が緩み、ドル高が一服。今週のトランプ米大統領はわりと大人しく、同氏の発言を材料視する動きは見られなかったが、米経済指標のさえない結果が目立ち、ドルの上値を重くした。

 一方で、本邦の賃金上昇や、政府関係者が植田日銀総裁の「足元はインフレ状態」との認識に同調する発言をしたことを受けて日本政府が物価上昇を踏まえた日銀の利上げを容認するとの思惑が広がり、日銀の追加利上げ観測が急速に高まった。今週の米10年債利回りは週を通して低下気味だが、本邦新発10年物国債は一時1.3%と約13年10カ月ぶりの高水準となった。足もとでは日米金利差縮小を意識したドル売り・円買い圧力が強い。

 4日の12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や昨日の新規失業保険申請件数などは、米労働市場を巡る先行き不透明感を示す内容となり、本日の米1月雇用統計が注目される。非農業部門雇用者数の予想は17.0万人増と前月の25.6万人増からの減少が見込まれ、同失業率は前月と同水準の4.1%、平均時給は前月比で前月と変わらずの+0.3%、前年比では前月の+3.9%から+3.8%に伸びがやや鈍化すると予想されている。トランプ米政権の政策をめぐる不確実性で米国連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通しにも不透明感が増している。市場では3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利の据え置き予想が8割超、利下げ予想が1割超となっているが、米雇用統計の結果が政策金利見通しに変化を与え、ドルが値幅を伴った動きになる可能性がある。

・想定レンジ上限
 ドル円、昨日の高値152.89円が上値めど。超えると153円前半に位置する日足一目均衡表・雲の下限153.37円や同転換線153.47円が意識されそうだ。

・想定レンジ下限
 ドル円、本日これまでの安値150.96円や心理的節目の150.00円が下値めど。

(金)
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