東京為替見通し=ドル円、2月東京CPIを見極めた後は今夜の米PCEデフレーター待ちか

 27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ米大統領がSNSに「メキシコとカナダに対する関税は3月4日に発動。中国に対しても同日に10%の追加関税を課す」と投稿したことで、150.16円まで上昇した。ユーロドルは1.0397ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、2月の全国消費者物価指数(CPI)の先行指標である東京都区部CPIを見極めた後は、今夜の米1月PCEデフレーターの発表を控えて動きづらい月末取引が予想される。

 昨日のドル円は、トランプ米大統領が、メキシコとカナダへの関税発動時期に関して、前日の「4月2日へ先送り」から「3月4日へ前倒し」したことで、米10年債利回りの上昇に連れて150.16円まで上昇した。
 本日もトランプ米大統領による突発的な発言には警戒しておきたい。

 8時30分に発表される2月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)は、電気・ガス代の補助再開がエネルギー価格を押し下げることで前年比+2.3%と予想されており、1月の同比+2.5%からの伸び率鈍化が見込まれている。
 2月東京都CPIが予想以下だった場合は、ドル買い・円売り要因となる。
 1月分は、政府の電気・ガス代補助終了でエネルギー価格が上昇し、食料品の値上げも影響したことで、3カ月連続で伸び率は拡大していた。

 2月のコアCPIは、食料品の値上げや賃金上昇を背景にサービス価格も緩やかに上昇することで、1月上昇率以上に上昇していた場合に警戒しておきたい。
 もし、予想外に上昇していた場合、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆する日銀の0.75%への追加利上げ時期が、現在の5月の日銀金融政策決定会合(4/30-5/1)から3月会合(3/18-19)に前倒しされる観測を高めることになる。
 昨年3月の日銀会合では、マイナス金利が解除されていた。
 一部の市場筋は、日銀の3月の早期利上げ観測の背景として、農林中央金庫の赤字や資本増強策、そして令和の米騒動などを挙げている。

 今夜発表される米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分は、前年比+2.5%と予想されており、12月の同比+2.6%からの伸び率鈍化、コアPCEの予想は同比+2.6%で12月の同比+2.8%からの伸び率鈍化が見込まれている。予想通りならば、今年の利下げ回数が2回から3回になる可能性を高めることになる。
 WSJ紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、1月のコアPCEは、前月比+0.27%、前年比+2.6%程度を見込んでいる。
 理由として、「FRBが重視するPCE価格指数に反映されるPPI項目(フィナンシャル&ヘルスケア・サービス)は全体的に非常に抑制されていた」ことを挙げている。


(山下)
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