東京為替見通し=ドル円、石破降ろしリスクで底堅い展開か

 17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、2月米小売売上高や3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を下回ったことで148.31円まで下落後、米国株相場の上昇に伴う円売り・ドル買いで149.28円まで上値を伸ばした。ユーロドルは、独財政拡大やウクライナの停戦協議進展への期待感や低調な米経済指標を受けて1.0929ドルまで値を上げた。ユーロ円は、ダウ平均が一時520ドル超上昇したことで、163.05円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、本日から明日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合を控えて動きづらい展開が予想される中、石破降ろしリスクで底堅い展開が予想される。

 また、本日、トランプ米大統領とプーチン露大統領がウクライナ停戦に関して電話会談を行う予定となっているが、トランプ米大統領は「ディールの見込みが極めて高い」と述べており、関連ヘッドラインにも警戒しておきたい。

 本日からの日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁が「こういうご時世なので、海外の経済・物価動向を巡る不確実性については非常に心配している」と述べているように、金融政策の現状維持が見込まれている。
 議論される内容としては、春闘回答一次集計への評価、4月2日に発動予定の相互関税、自動車関税、上昇基調にあるコメ価格などの食料品価格への対策、そして、7月に予定されている参議院議員選挙前に行われるかもしれない自民党総裁選への対応策、などが想定される。

 先週12日、自民党旧安倍派の西田参院議員が、石破首相の交代要求に関連して、新たな党総裁には高市前経済安全保障担当相が有力候補になるとの認識を示した。前回総裁選の党員投票で一番多かった高市氏は、昨年9月に、日銀の金融政策運営を巡り「金利を今、上げるのはあほやと思う」と利上げ気運を牽制し、個人消費や企業の設備投資に悪影響との認識を示して「長いデフレに戻る不安がある」と強調していた。

 石破降ろしリスクが顕在化して、ドル円が150円を超える局面となった場合、過去最大規模に膨れ上がったIMM通貨先物の投機部門の円のネットの買い持ちポジション(※3/11時点:133902枚)の手仕舞いを誘発する可能性が高まることで警戒しておきたい。

 オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、日銀の追加利上げは6月16-17日の日銀金融政策決定会合と予想されている。また、参議院選挙の投開票日は7月20日か27日と予想されている。


(山下)
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