ニューヨーク外国為替市場概況・19日 ドル円、4日ぶり反落

 19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は148.69円と前営業日NY終値(149.27円)と比べて58銭程度のドル安水準だった。米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米国株相場が反発したことを受けて、投資家のリスク回避姿勢が和らいだことも相場の支援材料となり、23時過ぎに一時150.15円と5日以来の高値を付けた。
 ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表後は米長期金利の低下とドル売りが進んだ。FOMC金利見通しでは、年内の利下げ回数が2回と前回の想定が維持された。米政権による関税政策で物価上昇圧力が強まる中でも利下げが続くとの見方がドル売りを促し、取引終了間際には一時148.61円と日通し安値を更新した。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利を4.25-4.50%で据え置き、4月から保有資産を圧縮する量的引き締め(QT)のペースを緩和することを決めた。また、今年のGDP見通しは大幅に下方修正した一方、インフレ率は上方修正した。声明文には「経済見通しを巡る不確実性は高まっている」との文言を追加し、トランプ政権の高関税政策が景気に及ぼすリスクに警戒感をにじませた。
 パウエルFRB議長は定例記者会見で「調査では関税がインフレ期待を押し上げていることが示唆されている」「インフレ期待上昇、かなりの部分が関税に起因」「新たな政策とその影響に関する不確実性は高い」「今年のインフレのさらなる進展が遅れる可能性」と述べたほか、「基本シナリオは関税によるインフレは一時的なものになる」「リセッションの確率は上がったが高くはない」などと話した。

 ユーロドルも4日ぶり反落。終値は1.0903ドルと前営業日NY終値(1.0945ドル)と比べて0.0042ドル程度のユーロ安水準となった。トルコでの政治リスクが警戒される中、NY市場に入るとユーロ売り・ドル買いが先行した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、2時30分過ぎには一時1.0861ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、FOMCで今年2回の利下げ見通しが維持されると米長期金利の低下とともにドル売りが優勢に。4時前には1.0913ドル付近まで下げ幅を縮めた。

 ユーロ円も4日ぶりに反落した。終値は162.13円と前営業日NY終値(163.39円)と比べて1円26銭程度のユーロ安水準。23時過ぎに163.66円付近まで持ち直す場面もあったが、FOMC結果公表後にドル円が急落するとユーロ円にも売りが波及。日本時間夕刻に付けた162.20円を下抜けて一時162.08円まで下げ足を速めた。

本日の参考レンジ
ドル円:148.61円 - 150.15円
ユーロドル:1.0861ドル - 1.0947ドル
ユーロ円:162.08円 - 163.88円

(中村)
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