NYマーケットダイジェスト・8日 株失速・金利上昇・円高・原油安

(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.27円(前営業日比▲1.57円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.29円(▲1.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0958ドル(△0.0046ドル)
ダウ工業株30種平均:37645.59ドル(▲320.01ドル)
ナスダック総合株価指数:15267.91(▲335.35)
10年物米国債利回り:4.29%(△0.11%)
WTI原油先物5月限:1バレル=59.58ドル(▲1.12ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2990.2ドル(△16.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。トランプ米大統領が表明した相互関税を巡り対象国との交渉が進むとの期待から、ダウ平均が一時1400ドル超上昇すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いが先行。23時30分前に一時147.67円付近まで値を上げた。
 ただ、一目均衡表転換線と基準線が合わせて位置する147.89円付近がレジスタンスとして意識されると失速した。「トランプ米政権は中国に対する104%の追加関税を明日9日に発動する」と伝わると、米中の貿易摩擦が激化するとの懸念からダウ平均が下げに転じ、一時800ドル超下落。リスク回避の円買い・ドル売りが優勢となり、4時30分過ぎに145.97円と日通し安値を付けた。

・米相互関税を巡り米中の貿易戦争が激化するとの警戒感が高まる中、オフショア人民元(CNH)は急落した。対ドルでは一時7.4290元まで下落し、過去最安値を更新した。また、CNH円は19.69円と昨年9月以来の安値を更新した。

・ユーロドルは3日ぶりに反発。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると、23時30分過ぎに一時1.0889ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0882ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。対円でドル安が進んだ影響も受けて、4時30分前に1.0978ドル付近まで持ち直した。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールスビー米シカゴ連銀総裁はこの日、「トランプ大統領が打ち出した関税措置は想定されていたものよりもはるかに大きい」と述べ、「インフレが再燃するリスクへの不安もある」との考えを示した。

・ユーロ円は反落。大幅高で始まった米国株相場が下げに転じるとリスク回避の円買いが優勢となり、2時30分過ぎに一時160.03円と日通し安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時186.55円、豪ドル円は86.88円、NZドル円は80.74円、カナダドル円は102.37円、メキシコペソ円は7.00円まで値を下げたほか、南アフリカランド円は7.39円と2023年6月以来の安値を付けた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、昨年1月以来約1年3カ月ぶりの安値となった。前日までに大きく売りが続いたあとだけに、主力株中心に自律反発狙いの買いが先行。指数は一時1400ドル超上昇した。ただ、「米政権は中国に対する104%の追加関税を明日9日に発動する」と伝わると、米中の貿易摩擦が激化するとの懸念が高まり、一転売りが優勢に。取引終盤には一時800ドル超下落した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、昨年1月以来約1年3カ月ぶりの安値となった。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅続落。米国株相場の失速とともに買いが入ったものの、3年債入札が「低調」と受け止められると一転売りが優勢となった。市場では「中国が保有する米国債を関税問題の報復として売却しているとの観測がある」との声も聞かれた。

・原油先物相場は4日続落。中心限月の清算値ベースでは、2021年4月以来となる60ドルの節目を割り込んだ。米中貿易摩擦の激化懸念など、関税が世界経済に悪影響を及ぼすとの見方から原油は売りが優勢となり、節目の60ドルを割り込んだ。

・金先物相場は4日ぶりに反発。米中貿易摩擦の激化懸念を背景として金に買いが入るも、米長期金利が上昇したため金利の付かない金の投資妙味が薄れたとの見方から上げ幅を縮小した。

(中村)
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