株式明日の戦略-4桁高で安値圏を脱出 CPIは米国株の戻りを後押しするか

 10日の日経平均は大幅反発。終値は2894円高の34609円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1623/値下がり8と大半の銘柄が上昇。ナスダックが12%高となったことからグロース株が強かった。レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロンなど半導体株の多くが2桁の上昇率。キオクシアは22.5%高となり、ストップ高まで買われる場面があった。ソニーG、任天堂、コナミGなどゲーム株も多くが急伸。トヨタ、ホンダ、日産など自動車株が軒並み大幅高となった。証券会社が目標株価を引き上げた川崎重工がストップ高。前期の着地が計画を上振れた古野電気が急騰した。

 弱かったのは決算が売り材料となった銘柄で、サイゼリヤ、ABCマート、プログリットが大幅下落。前日に買いを集めたクオリプスやセルシードが売りに押された。

 日経平均は4桁の上昇。今週は4桁の下落と上昇を繰り返している。順番的にはあすは下落となるがさてどうか。本日、米国では3月の消費者物価指数(CPI)が発表されるだけに、どちらにしても値幅は出る可能性がある。

 CPIが弱めの結果となれば、インフレ沈静化への期待から米国株がもう一段リスクオンに傾くことが期待できる。一方、強めの結果となって米国の長期金利が大きく上昇した場合には、米国株には厳しい展開が想定される。

 引け後に上期決算を発表したファーストリテイリングは上方修正と増配を発表しており、米国株が平穏であれば決算は好感されても良さそう。日経平均はきょうの上昇で5日線(32850円、10日時点)を大きく上回っており、CPIが米国株の買い材料となって戻りが加速する展開に期待したいところだ。下に振れた場合は、きょう上回った5日線がサポートになるかどうかが焦点となる。上の場合は25日線(36161円)を上回ることができるかに注目したい。


(山下)
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