NY為替見通し=米FOMCに関心集中、議長声明に注目

 本日のNY為替市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を念頭に置いた動きが予想される。トランプ米政権の高関税政策が雇用や物価に与える影響を慎重に見極めるため、市場予想は政策金利の据え置きがコンセンサスとなっている。

 市場の関心はその際に出される声明や、その後に行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見に集まっている。声明では前回3月に「経済活動が引き続き堅調なペースで拡大している」としたが、直近で発表された1-3月期米国内総生産(GDP)速報値が前期比年率で2022年以来のマイナスとなっており、変化があるか確認しておきたいところ。

 また、トランプ米大統領に加えてベッセント米財務長官もFRBに利下げを要請しており、関税スタグフレーションへの警戒感が高まる中、パウエルFRB議長が会見でどのような見解を示すか注目される。

 金利先物市場では次回6月FOMCでの利下げ確率が8割弱となるも、内訳は0.25%の利下げ確率が6割弱に達し、0.50%利下げ確率は2割に留まっている。前週の0.50%利下げ確率が6割弱だった時点と比べ、金利先安観はやや後退。前週の4月米雇用統計が強めの結果となったことで大幅利下げ観測が後退している。そうした中、FRB議長は会見で利下げを急がない姿勢を保ち続けることも考えられる。その場合、トランプ米大統領がFRB議長の解任を再びちらつかせる恐れがある点には注意したい。

 他方、米中の貿易摩擦の緩和期待が続くかも注目したい。朝方に、「ベッセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表は、貿易交渉開始に向け中国当局者と会談する」との一部報道を受けてリスク回避の動きが和らぐと、ドル円は安値から約1円上昇した。FOMC前であっても、関連報道が伝われば株価を始めとして過敏に反応することも考えられる。


想定レンジ上限
・ドル円は、日足・一目均衡表の転換線143.95円。超えると基準線145.19円

想定レンジ下限
・ドル円は、6日安値142.36円。割り込むと心理的節目の141.00円


(川畑)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。