NY為替見通し-貿易関連の報道を依然として注視、重要な協定の内容を見極め

 本日のニューヨーク為替市場では、依然として米国を中心とした貿易関連のニュースに注意しながらの値動きか。経済指標は1-3月期米単位労働コストや新規失業保険申請件数などが予定されている。また、米30年国債の入札もNY午後に行われる。

 トランプ米大統領は昨日7日、明日10時(日本時間8日23時)に重要な貿易協定を発表することを明らかにした。米ニューヨークタイムズ紙によれば、この相手国は英国のもよう。既に今週初に英フィナンシャル・タイムズ紙が、英国側はIT大手に課す非関税障壁から米国を除外し、引き換えに米国はアルミニウムや自動車などに課す25%関税を軽減または免除する可能性を報じていた。

 トランプ大統領は今日の発表を「第1弾」と述べていることからも、今後も別な国との通商合意が期待される。米国と交渉が始まっている国「インド、韓国、そして日本」などにも適用できる内容なのか、本日の発表を見極めることになるだろう。また、昨日NY市場の終盤に伝わった「トランプ政権がAI半導体の輸出規制を撤廃する方針」についても、続報を気にしておきたい。

 NY序盤に発表される1-3月期米単位労働コスト・速報値は前期比5.1%と前回から上振れし、約2年ぶりの水準が予想されている。賃金の上昇が主な要因だとしたら(生産性の低下という場合もある)、早期利下げに慎重なパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のスタンスを後押しすることになるだろう。他、前週分の米新規失業保険申請件数は、前回から1万件ほど改善した23万件が市場予想。この辺りはドルにとってポジティブとなりそうだ。

 6日実施された米10年債入札は好調な結果となり、米国債への需要が依然として旺盛であることが示された。本日の30年債への期待も高そうだが、逆に梯子を外されるようだと相場の波乱要因となりそうだ。

想定レンジ上限
・ドル円、5日高値145円を超えると2日高値145.92円

想定レンジ下限
・ドル円、本日安値143.45円


(小針)
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