株式明日の戦略-後場に盛り返して3日続伸、下値の堅さを確認して一段高へ

 12日の日経平均は3日続伸。終値は140円高の37644円。前週末の米国株は3指数がまちまちかつ小動きであったが、米中協議終了後に双方から進展があった旨のアナウンスがあったことを好感して、3桁上昇スタート。開始直後には上げ幅を200円超に広げた。

 高く始まった後は伸び悩み、しばらく値を消す流れが続いた。上げ幅を2桁に縮めると、前場は安値引け。後場はマイナス圏からのスタートとなった。ただ、深押しすることはなく、下値の堅さを確認するとほどなくプラス転換。再び上げ幅を3桁に広げると、14時以降は37600円近辺で値動きが落ち着いた。前引けでは下落していたTOPIXも後場には持ち直してプラスで終了。12日続伸となった。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆8500億円。業種別では倉庫・運輸、証券・商品先物、海運などが上昇した一方、医薬品、サービス、その他製品などが下落した。株主還元の方針を変更し、今期の大幅増配計画を提示した秋田銀行<8343.T>が、後場に買いを集めてストップ高。半面、今期の減益見通しを提示したツムラ<4540.T>が、後場に入って一時ストップ安となるなど急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1116/値下がり476。アドバンテスト、ディスコ、レーザーテックなど半導体株の多くが大幅上昇。川崎重工が4.6%高と人気化し、売買代金は全市場でトップとなった。株主還元方針の変更を発表したマツキヨココカラが急騰。今期減益見通しながら大幅増配見通しを提示したアネスト岩田がストップ高と、株主還元拡充に関するリリースがあった銘柄に強い買いが入った。

 一方、第一三共、武田、塩野義製薬など薬品株の多くが大幅下落。トランプ大統領が処方薬の価格引き下げに関する大統領令に署名すると自身のSNSで投稿したことが警戒材料となっており、中外製薬は2桁の下落率となった。前期は大幅営業黒字を達成したものの、高い市場の期待には届かなかったDeNAが商いを伴って急落。今期の減益・減配見通しが嫌気された日本製鉄が売りに押された。1Qが大幅減益となった日本ホスピスは、場中に値が付かずストップ安比例配分となった。

 日経平均は3日続伸。マイナス圏に沈む場面もあったが、下げたところで大崩れしなかったことから、足元の地合いの良さが改めて印象づけられた。TOPIXがきょうで12日続伸と息の長い上昇となっているだけに、今は場中に上値が重くなることは仕方ない。さえない動きが出てきた時に下げ渋るかが重要で、きょうはまさに安くなったところで押し目買い意欲の強さが確認できた。きょうの終値は37644円。上に控えた26週線(37825円、12日時点、以下同じ)や52週線(38153円)を早々に上回ることができるかが目先の焦点となる。
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