株式明日の戦略-8日ぶり反落も値上がり銘柄は多い トヨタの決算に要注目

 連休明け7日の日経平均は8日ぶり反落。終値は51円安の36779円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1035/値下がり550。丸紅、三菱商事、住友商事など商社株が大幅上昇。ウォーレン・バフェット氏がバークシャー・ハザウェイのCEOを2025年末に退任する意向を示したが、日本の商社株については超長期の投資であるとのコメントがあったことから、目先の売却リスクが大きく後退した。決算や自己株取得・消却が好感されたJR西日本が買いを集めた。今期が大幅営業増益見込みとなったTOAや、累進配当の導入などを発表した矢作建設が急騰。塩野義製薬による買収観測が報じられた鳥居薬品が、後場に急伸して売買停止となった。

 半面、塩野義製薬は4%を超える下落。薬品株が全般弱く、エーザイ、住友ファーマ、小野薬品なども大きく売られた。円高を嫌気してトヨタやホンダなど自動車株が全般軟調。トランプ米大統領が外国で製作された映画に100%の関税を課す方針を表明したことから、ソニーGや東映アニメなどが警戒売りに押された。

 日経平均は8日ぶり反落。5月2日と同様に37000円近辺では買いが続かなかったことから、上値追いには慎重姿勢が見られた。ただ、個別を見るとプライムでは値上がり銘柄が1000を超えている。2桁の下落率となっている銘柄はプライムではゼロで、全市場でも2銘柄のみとなっており、今は売りを出しづらい地合いが醸成されている。

 本日の米国ではFOMCの結果が発表される。政策金利は据え置きが濃厚とみられているが、パウエルFRB議長の会見などから今後についての新たな手がかりが得られるかどうかが注目される。なお、トランプ大統領は利下げを強く望んでいるため、据え置きの場合には再びFRBやパウエル議長を強く非難してくる可能性がある。その際に米債券市場が不安定になるようだと、株式市場にもネガティブな影響が及びかねない点には注意を要する。

 国内ではあすの取引時間中にトヨタの決算を消化する予定。見通しを出すか出さないか、株主還元などプラスアルファの材料が出てくるかといった点が注目される。FOMCの結果発表直後だけにドル円にも動きが出てくると思われるが、円安+好材料の多い決算であれば全体にもプラスの影響が見込まれる一方、円高+失望決算であれば逆の反応も想定される。日経平均が37000円を通過点とするには、あすは上を試しにいってほしいところ。トヨタの決算が投資家心理を強気に傾ける展開に期待したい。
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