NY株見通し-貿易関連報道や4月PCE価格指数などのインフレ指標に注目

 今晩は貿易関連報道やインフレ・データに注目。昨日は好決算を発表したエヌビディアが大幅に上昇し相場をけん引したものの、貿易政策を巡る混乱が上値の圧迫要因となった。米国際貿易裁判所が水曜日引け後に「相互関税」の差し止めを命じたことに対しトランプ政権が控訴し、二審が差し止め判決の一時停止を命じたことで関税問題の不透明感が強まった。ダウ平均は上昇してスタート後、一時270ドル安まで反落したが117.03ドル高(+0.28%)と反発して終了し、S&P500は一時0.93%高まで上昇後、0.40%高と上昇幅を縮小して終了。ハイテク株主体のナスダック総合は1.51%高まで上昇後、0.39%高で終了した。週初来ではダウ平均が612.66ドル高(+1.47%)、S&P500が1.88%高、ナスダック総合が2.34%高とそろって反発ペースとなり、5月月初来ではダウ平均が3.80%高、S&P500が6.16%高とそろって4カ月ぶりの反発ペースとなり、ナスダック総合は9.91%高と大幅に2カ月続伸ペースとなった。

 今晩の取引は週末、月末の取引となるが、引き続きトランプ関税を巡る報道に要注目となるほか、インフレ動向を巡り、4月個人消費支出(PCE)価格指数などの経済指標に注目する展開か。4月PCE価格指数の市場予想は前年比+2.2%と3月分の+2.3%から鈍化が見込まれ、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視するコアPCE価格指数も前年比+2.5%と3月分の+2.6%から鈍化が予想されている。コアPCE価格指数が予想通りの鈍化となれば、利下げ期待の高まりが相場の支援となりそうだ。

 今晩の米経済指標・イベントは4月PCE価格指数のほか、5月シカゴ地区購買部協会景気指数(PMI)、5月ミシガン大 消費者信頼感指数確報値、同1年先・5年先期待インフレ率確報値など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:5月30日、14:00)
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