株式明日の戦略-伸び悩むも4日続伸、上昇加速か一服かの分岐点

 11日の日経平均は4日続伸。終値は209円高の38421円。米国株高を受けて、寄り付きから200円を超える上昇。開始直後には上げ幅を300円超に広げて38500円を上回った。節目を超えた後は到達感が出てきて急失速。しかし、2桁高となったところでは改めての買いが入って盛り返した。開始1時間程度で高値と安値をつけた後は動意が乏しくなっており、後場は狭いレンジでのもみ合いに終始した。TOPIXはプラス圏とマイナス圏を行き来して小幅なプラスで取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆0400億円。業種別ではパルプ・紙、金属製品、サービスなどが上昇した一方、その他製品、保険、非鉄金属などが下落した。証券会社が投資判断を引き上げた三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>が急伸。半面、下方修正を発表したベストワンドットコム<6577.T>が後場に崩れてストップ安となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1139/値下がり426。米国で半導体株が買われた流れを受けて、東京エレクトロン、ディスコ、ソシオネクストなど半導体株の多くが大幅上昇。リクルートや良品計画に強い動きが見られた。月次が良かった物語コーポレーションや丸千代山岡屋が急伸。グループで保有している恵比寿ガーデンプレイスの売却観測報道を手がかりにサッポロHDが買いを集めた。

 一方、三菱ふそうトラック・バスとの経営統合と併せて第三者割当増資を発表した日野自動車がストップ安。防衛大手の三菱重工、川崎重工、IHIが連日で売りに押されており、川崎重工とIHIは5%を超える下落となった。任天堂、コナミG、スクエニHDなどゲーム株の多くが軟調。1Qの最終赤字額が前年同期比で拡大したポールトゥウィンが急落した。

 日経平均は4日続伸。開始直後に38500円を上回った後は伸び悩んだが、萎んでもプラス圏をキープして、後場に入ると値動きが落ち着いた。安値は38288円までで38400円台まで戻して終えており、38000円より上が定着しつつある。

 本日の米国では5月消費者物価指数(CPI)の発表や10年国債入札があり、これらを消化した米長期金利やドル円の反応が注目される。CPIが弱くインフレへの警戒が後退すれば、米国のハイテク株にはプラスの影響が見込まれる。ただ、このケースでも米長期金利が大きく低下して円高(ドル安)が進んだ場合には、日本株には逆風となる。大幅高、大幅安どちらもあり得るし、日本株が米国株に連動しないケースも想定される。38500円を明確に超えることができるか、それともこの辺りで上昇一服となるかの決着がつきそうであるだけに、上でも下でも動いた方向に勢いがつく可能性がある。
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