ロンドン為替見通し=イスラエルとイランの対立激化に要警戒

 本日のロンドン為替市場では、中東情勢を見定めながらの取引となりそうだ。東京午前にイスラエルがイランに先制攻撃をしたことが伝わると、避難通貨とされるスイスフランが対ユーロや対ドルで買われた。ユーロスイスフランは0.9308フランと早朝の水準から約100ポイント下落し、ドルスイスフランも4月下旬以来の0.80フラン半ばまでドル安フラン高に振れている。

 イスラエル軍の攻撃は、イランの核関連施設を含む数十カ所とされ、今後も軍事作戦の継続が表明された。この攻撃により、イラン側は革命防衛隊の司令官が死亡したもよう。今後は、イラン側からの報復がどの程度まで強まるかに警戒が必要。紛争が長期化するようだと、中東からのエネルギー供給に対する不安感から、急騰した原油価格が高止まる可能性がある。そうなるとインフレ懸念にも当然繋がり、石油を輸入に頼る国の経済成長の足かせにもなるだろう。

 今回イスラエルは、トランプ米大統領の意向に反してイラン攻撃を実行した。米国は15日にもイランと6回目となる核協議を予定しており、今回の攻撃で開催されるか不透明となった。イスラエルの行動はトランプ政権の顔に泥を塗ったことになり、国際社会のなかでも孤立感を深めてしまうだろう。逆にそれがイスラエルのより過激な行動に繋がってしまうかもしれない。

 いずれにせよ本日は、株や債券、商品市場の動向を眺めながら、イスラエル対イラン関連の報道に注視し、為替はスイスフランを中心とした値動きとなりそうだ。なお、経済指標は独仏の5月消費者物価指数(CPI)が発表されるが、こちらは改定値。他、4月ユーロ圏鉱工業生産などが発表予定。

想定レンジ上限
・ドルスイスフラン、日足一目均衡表・転換線0.8153フラン
・ユーロスイスフラン、11・12日高値0.9429フラン
・ユーロドル、昨日高値1.1631ドル

想定レンジ下限
・ドルスイスフラン、心理的節目0.8000フラン
・ユーロスイスフラン、4月11日安値0.9222フラン
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.1494ドル


(小針)
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