ロンドン為替見通し=ユーロドル、6月独卸売物価指数に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、6月ドイツの卸売物価指数を見極めつつ、来週の欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げ幅を探る展開が予想される。

 ユーロドルは、欧州の天然ガス価格の上昇と景気減速懸念、スタグフレーションへの警戒感から売り圧力が強まりつつあり、昨日はパリティー(1ユーロ=1ドル)を割り込んだ。
 昨日のパリティー(1ユーロ=1ドル)割れは、米6月の消費者物価指数(前年比+9.1%)を背景にしたオプション・バリアへの売り仕掛けが奏功した形だが、本日も、0.9990-95ドルに買いオーダー、割り込むとストップロス売りが控えており、下値リスクには警戒しておきたい。

 6月独卸売物価指数(WPI)が5月の前月比+1.0%から伸び率が上昇していた場合、ECB理事会での利上げ幅が0.50%となる可能性が浮上することで要注目か。

 現在、ドイツとロシアをつなぐ天然ガスの主要パイプライン「ノルドストリーム1」が、10日間の定期検査のためガス供給が停止している。予定通りに10日間の検査が終了すれば、7月22日から天然ガスの供給が始まるが、市場では「経済制裁やウクライナへの武器供与を理由に、露側が検査終了後も供給停止を続ける恐れがある」との警戒が高まっている。

 すなわち、7月21日のECB理事会では、翌日の欧州のエネルギー危機勃発の可能性から、0.25%の利上げを見送るのではないか、との憶測が広がっており、ECB高官の発言には注目しておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドルの上値目処(めど)は、7月13日の高値の1.0122ドル、ユーロ円は一目・雲の上限の139.35円。

想定レンジ下限
・ユーロドルの下値目処(めど)は、2002年12月3日の安値の0.9952ドル、ユーロ円は7月13日の安値の137.13円。

(山下)
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