週間為替展望(豪ドル/ZAR)-南ア、CPIとMPCに注目
◆豪ドル、対円では堅調。50年弱ぶりの強い雇用統計を受け、利上げ幅拡大か
◆豪ドル、週末のRBA総裁の発言に要警戒
◆ZAR、CPIとSARB・MPCに注目
予想レンジ
豪ドル円 91.00-97.00円
南ア・ランド円 7.80-8.40円
7月18日週の展望
豪ドルは引き続き方向感が出にくいだろうが、対円では堅調に推移しそうだ。今週発表された6月の豪雇用統計では、失業率は1974年に四半期ごと公表していた以来の低水準(3.5%)となった。また、新規雇用者数も市場予想を上回る強い数字となった。この結果を受けて、豪3年債利回りは急上昇し、次回(8月2日)の豪準備銀行(RBA)理事会では0.50%ではなく0.75%の利上げを予想する声が増えている。市場では、インフレ率が米国同様に急上昇し、年末には7%に達するとの予想が出ている。今後もRBAが積極的な金融引き締めを行うことが確実視される中、主要国の中で唯一緩和姿勢を継続する日銀との金融政策の方向性の違いが、豪ドル円の買い支えとなりそうだ。一方で、インフレ懸念からの株安や景気停滞で、リスクオン・オフに敏感な豪ドルは対ドルでは上値が重くなる可能性もありそうだ。
来週の予定としては、日曜日の17日にロウRBA総裁がパネルディスカッションに参加する。発言次第では、週明け月曜日のオセアニア市場から、窓を開けて動意付く可能性には警戒したい。また、19日には7月のRBA理事会議事要旨公表されるほか、ブロックRBA副総裁が講演する。20日には再びロウRBA総裁の講演が予定されている。経済指標では、20日に7月のウェストパック景気先行指数、21日に4-6月期NAB企業信頼感が発表予定となっている。また、NZからは18日に4-6月期消費者物価指数(CPI)、19日に7月貿易収支が発表される。NZ準備銀行(RBNZ)は今週、利上げを決定しているが、CPI次第では利上げペースが更に速まる可能性もある。
南アフリカ・ランド(ZAR)も豪ドル同様に対ドルでは上値は限られるが、対円では底堅い動きとなりそうだ。注目は20日の6月CPIと、翌21日の南アフリカ準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)。5月のCPIは6.5%の上昇。SARBの目標とする3-6%のレンジをすでに上抜けており、市場では0.50%の利上げが織り込まれている。更に、ガソリンに対する免税額を半減したことなどから、今後もインフレ高進が予想されている。6月CPIが予想より強い結果となった場合は、0.75%の利上げ期待が高まるかもしれない。大幅な利上げとなった場合、短期的には日銀が金融緩和を継続していることで対円を中心にZAR買いになりそうだ。ただ、景気後退懸念の高まりなど、中長期的な影響も同時に見定める必要もありそうだ。
7月11日週の回顧
豪ドルは対ドルでは米国のインフレ高進による景気停滞懸念で上値は抑えられたが、対円では小高く推移した。今週発表された6月の豪雇用統計で、失業率が1974年以来の低水準となり、新規雇用者数も市場予想を上回る強い結果となったことが豪ドルの支えになった。ZARは神経質な値動きを繰り返した。対円では、SARBと日銀の金融政策の方向性の違いがZARの支えとなったが、軟調な株価による新興国通貨からの資金離れがZAR売りを促した。対ドルでは一時2020年8月以来の水準まで弱含んだ。(了)
◆豪ドル、週末のRBA総裁の発言に要警戒
◆ZAR、CPIとSARB・MPCに注目
予想レンジ
豪ドル円 91.00-97.00円
南ア・ランド円 7.80-8.40円
7月18日週の展望
豪ドルは引き続き方向感が出にくいだろうが、対円では堅調に推移しそうだ。今週発表された6月の豪雇用統計では、失業率は1974年に四半期ごと公表していた以来の低水準(3.5%)となった。また、新規雇用者数も市場予想を上回る強い数字となった。この結果を受けて、豪3年債利回りは急上昇し、次回(8月2日)の豪準備銀行(RBA)理事会では0.50%ではなく0.75%の利上げを予想する声が増えている。市場では、インフレ率が米国同様に急上昇し、年末には7%に達するとの予想が出ている。今後もRBAが積極的な金融引き締めを行うことが確実視される中、主要国の中で唯一緩和姿勢を継続する日銀との金融政策の方向性の違いが、豪ドル円の買い支えとなりそうだ。一方で、インフレ懸念からの株安や景気停滞で、リスクオン・オフに敏感な豪ドルは対ドルでは上値が重くなる可能性もありそうだ。
来週の予定としては、日曜日の17日にロウRBA総裁がパネルディスカッションに参加する。発言次第では、週明け月曜日のオセアニア市場から、窓を開けて動意付く可能性には警戒したい。また、19日には7月のRBA理事会議事要旨公表されるほか、ブロックRBA副総裁が講演する。20日には再びロウRBA総裁の講演が予定されている。経済指標では、20日に7月のウェストパック景気先行指数、21日に4-6月期NAB企業信頼感が発表予定となっている。また、NZからは18日に4-6月期消費者物価指数(CPI)、19日に7月貿易収支が発表される。NZ準備銀行(RBNZ)は今週、利上げを決定しているが、CPI次第では利上げペースが更に速まる可能性もある。
南アフリカ・ランド(ZAR)も豪ドル同様に対ドルでは上値は限られるが、対円では底堅い動きとなりそうだ。注目は20日の6月CPIと、翌21日の南アフリカ準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)。5月のCPIは6.5%の上昇。SARBの目標とする3-6%のレンジをすでに上抜けており、市場では0.50%の利上げが織り込まれている。更に、ガソリンに対する免税額を半減したことなどから、今後もインフレ高進が予想されている。6月CPIが予想より強い結果となった場合は、0.75%の利上げ期待が高まるかもしれない。大幅な利上げとなった場合、短期的には日銀が金融緩和を継続していることで対円を中心にZAR買いになりそうだ。ただ、景気後退懸念の高まりなど、中長期的な影響も同時に見定める必要もありそうだ。
7月11日週の回顧
豪ドルは対ドルでは米国のインフレ高進による景気停滞懸念で上値は抑えられたが、対円では小高く推移した。今週発表された6月の豪雇用統計で、失業率が1974年以来の低水準となり、新規雇用者数も市場予想を上回る強い結果となったことが豪ドルの支えになった。ZARは神経質な値動きを繰り返した。対円では、SARBと日銀の金融政策の方向性の違いがZARの支えとなったが、軟調な株価による新興国通貨からの資金離れがZAR売りを促した。対ドルでは一時2020年8月以来の水準まで弱含んだ。(了)