NY為替見通し=「Bad news is good news」となるかを見極め

 本日のニューヨーク為替市場では、まずは4-6月期米国内総生産(GDP)速報値を確認することになる。前期比年率の市場予想は+0.5%とされ、マイナス成長だった前四半期からプラス回復が見込まれている。

 しかしながらアトランタ連銀の経済予測モデル「GDPNow」は-1.2%を示し、月初の-2.1%から改善しているものの依然としてマイナス。景気後退(リセッション、2四半期マイナス成長)を米政府高官や金融当局者は否定しているが、この予測モデルを重要視する見方も根強く、結果の下振れには注意しておく必要はありそうだ。

 もっとも成長鈍化となれば金融政策がハト派に転換し、株式市場には結局プラスとの思惑から、このところ「Bad news is good news(悪いニュースは良い知らせ)」との考え方が広がっているようだ。たとえ弱いGDPとなった場合でもドル円は、最初の反応は米金利低下を受けて下値を試すかもしれないが、株式市場が底堅くなればクロス円と共に持ち直しというパターンも考えられる。

 ところで昨日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を好感し、27日のナスダック総合は約4%の大幅高で終えた。これで3月から始まった金融引き締めサイクルでは、4会合連続で利上げ確認後に同指数は大きく上昇したことになる。

 ただし大幅上昇した「翌日」を振り返ると、25ベーシスポイント(bp)だった3月は続伸したものの、50bp利上げの5月と75bpまで上げ幅を拡大した6月は前日比でそれぞれ約5%と4%も急落した。

 既に時間外では、決算を嫌気された米メタ・プラットフォームズが一時6%超下落と昨日の上昇率をほぼ吐き出した。他の主要ハイテク株が引きずられてしまうと、過去2回の流れを踏襲することになってしまうかもしれない。相場の波乱要因となるかもしれず、ナスダックの動向は注視しておきたい。

 なお月末を明日に控え、ロンドン16時のフィキシング(日本時間24時)に向けたフローで右往左往させられる可能性もある。その辺りの時間帯の動きには注意しておきたい。

想定レンジ上限
・ドル円は本日の東京朝に一旦下げ止まった136.05円前後、その上だと本日高値136.58円が上値めど

想定レンジ下限
・ドル円は本日安値135.11円が意識され、その下では1日安値(月初来安値)134.75円がポイント。


(小針)
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