NY為替見通し=PCEデフレーターが波乱要因となるか

 週末・月末のニューヨーク為替市場では、米連邦準備理事会(FRB)が重要視する個人消費支出(PCE)デフレーターを受けた米金利の動きに付いて行くことになるか。6月米PCEデフレーターの前年比予想は6.8%と、40年ぶりの高い伸び率を記録した3月6.6%を上回る見込み。一方、同コア前年比は予想4.7%と2月5.3%をトップとした低下基調が継続するかがポイントとなる。

 昨日の弱い4-6月期米GDPを受けて、米連邦公開市場委員会(FOMC)利上げペース鈍化への思惑が広がった。FF金利先物から算出するCMEのFedWatchは、今後の利上げ幅について、9月会合で50ベーシスポイント(bp)、その後11月と12月で25bpをメインストーリーとしつつある。今年中に3月から始まった利上げサイクルは終了し、来年前半には利下げに転じるとの見方のもよう。

 ただ本日発表されたユーロ圏の7月消費者物価指数(HICP)速報値が、前年比総合とコアともに予想から上振れ。総合については過去最高となる8.9%の伸び率を記録した。世界的にインフレ高進への警戒感が高まったままであり、PCEデフレーターの予想より強い数値にも注意しておきたい。

 インフレ指標の結果次第では、ここ2日間で作られた米金利に対する目算がひっくり返されるかもしれない。そうなると、月末で様々なフローが飛び交うことが元々予想されるなか、更に荒れた相場になってしまうかもしれない。

想定レンジ上限
・ドル円は昨日安値134.20円や本日の戻り高値134.68円が上値のポイント。

想定レンジ下限
・ドル円は日足一目均衡表・雲の上限132.82円を念頭に、本日ここまでの安値132.51円や6月17日安値132.17円が意識される。


(小針)
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