株式明日の戦略―高値引けで28000円に接近、52週線より上での値固めは進むか

 8月に入り1日の日経平均は反発。終値は191円高の27993円。米国株の大幅高を受けても寄り付きは小幅高。序盤ではプラス圏とマイナス圏を行き来した。しかし、下値の堅さを確認すると、次第に買いが優勢となり、上げ幅を3桁に広げた。前場のうちに27900円台に乗せ、後場に入ると28000円に接近。節目を超えられそうで超えられず、もどかしい時間帯が長く続いたが、伸び悩んでも失速はなく、高値圏を維持した。終盤にかけてもうひと伸びがあり、27993円まで上昇。28000円には届かなかったものの、高値引けとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆1000億円。業種別では海運、輸送用機器、卸売などが上昇した一方、電気・ガス、医薬品、金属製品などが下落した。大幅な上方修正を発表した日本化薬<4272.T>が急騰。反面、1Qの営業利益が前年同期比では大幅増益となったものの、今期の計画に対しては低い進ちょくとなったアルプスアルパイン<6770.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1486/値下がり312。日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社が、そろって3%台の上昇。トヨタ、日産自、マツダなど自動車株の動きが良かったほか、キーエンス、OLC、デンソーなど先週決算を消化した銘柄に強い動きが見られた。業績関連では、ZOZO、日本酸素、住友ファーマ、インフォマートなどが急騰。上方修正と自己株消却を発表したエンプラスがストップ高比例配分となった。ほか、ミネベアミツミによるTOBに賛同の意を表明した本多通信工業が、TOB価格にサヤ寄せしてストップ高比例配分となった。

 一方、下方修正を発表したソニーグループが、全市場の売買代金トップの大商いとなって3%を超える下落。1Q大幅減益の富士通が6%を超える下落と、総合電機株が弱かった。沖縄電力、東北電力、北陸電力、電源開発など電力関連の多くが決算を材料に大幅安。SGHD、LIXIL、JTなども決算を受けて売りに押された。業績関連以外では、証券会社が投資判断を引き下げたレーザーテックが大幅安となった。

 日経平均は反発。米株動向からは28000円をあっさり超えるくらいの上昇に期待したかったところだが、それでも場中はしっかりとした動きを見せた。7月22日に27900円台に乗せて以降、28000円近辺で足踏みが続いている。ただ、週足チャートをみると、52週線(27810円、1日時点)付近で踏みとどまっているようにも見える。この52週線、3月後半に大きく上昇した際には抵抗となり、6月前半の上昇局面では同水準を超えたところで天井感が出てきた。それが足元では、先々週にこれを上回り、先週は週末値でわずかに下回ったものの、今週は週初から再び上回ってきた。52週線の傾きも下落から横ばいに転じつつある。この先、52週線より上が定着してくるのであれば、28000円は通過点にすぎないだろう。米国株は上に値幅が出るようになっているだけでなく、場中の動きが強い日が増えてきた。米国株の持ち直しはグローバル市場にとって安心材料となる。本日は7月のISM製造業景気指数が発表予定で、さらなる押し上げ材料となるかが注目される。

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