NYマーケットダイジェスト・2日 株安・金利急上昇・ドル全面高
(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=133.17円(前営業日比△1.56円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=135.39円(△0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0166ドル(▲0.0096ドル)
ダウ工業株30種平均:32396.17ドル(▲402.23ドル)
ナスダック総合株価指数:12348.76(▲20.22)
10年物米国債利回り:2.75%(△0.18%)
WTI原油先物9月限:1バレル=94.42ドル(△0.53ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1789.7ドル(△2.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は5日ぶりに反発。ペロシ米下院議長の台湾訪問で、米中間の緊張が激化するとの懸念から、アジア市場では一時130.41円と6月3日以来約2カ月ぶりの安値を付けたが、NY市場では底堅く推移した。
デイリー米サンフランシスコ連銀総裁はこの日、「米連邦準備理事会(FRB)のインフレ対策は終了からほど遠い」と述べたうえ、「FRBが来年には利下げを始める」との観測が出ていることについて「困惑している。市場参加者はデータのどこを見ているのか。私の見通しとは異なる」と批判した。また、エバンズ米シカゴ連銀総裁は「9月会合での0.50%利上げは合理的だが0.75%でも問題ない」「9月以降は来年上期まで0.25%の追加利上げ継続を引き続き期待する」と述べたほか、メスター米クリーブランド連銀総裁は「インフレは全く落ち着いていない」「FRBはインフレ抑制にコミットしている」と語った。市場で台頭していたFRBが利上げペースを緩めるとの見方が後退し、米国債の売り(金利は上昇)とドル買いが強まった。ペロシ氏の台湾到着が無事確認されたことも円売り・ドル買いを促し、取引終了間際に一時133.18円と日通し高値を更新した。
なおペロシ氏の台湾到着後、中国軍東部戦区は2日夜から台湾周辺で演習や実弾射撃などの軍事行動を実施し、中国人民解放軍は「4-7日に軍事演習を実施する」と表明したが、過激な報復行動は見られず、台湾情勢を巡るリスク・オフの動きはいったん和らいだ。市場では「米中間の緊張が大幅にエスカレートした場合の影響は大きいものの、現時点ではそのような可能性は低いだろう」との声が聞かれた。
・ユーロドルは3日ぶり反落。ペロシ氏の台湾訪問を巡り、米中関係の緊張を警戒した動きも見られたが、FRB高官らのインフレ警戒を改めて強調する発言をきっかけに米長期金利が大幅に上昇すると全般ドル買いが活発化した。前日の安値1.0205ドルを下抜けて一時1.0164ドルまで下げ足を速めた。
NY序盤に一時2.52%台まで低下した米10年債利回りは2.77%台まで急上昇した。
・ユーロ円は4日ぶりに反発。台湾情勢を巡る地政学リスクへの不安から、リスク・オフの円買い・ユーロ売りが先行。21時30分過ぎに一時133.40円と5月13日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ドル円の上昇につれた買いが入り、一時135.41円と日通し高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。ペロシ米下院議長の台湾訪問で、米中間の緊張が激化するとの懸念から売りが先行したものの、ペロシ氏が無事に台湾に到着したと伝わると下げ渋った。もっとも、FRB高官らのインフレ警戒を改めて強調する発言が伝わると、FRBが利上げペースを緩めるとの見方が後退し売りが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに大幅反落。ペロシ米下院議長の台湾訪問で、米中間の緊張が激化するとの懸念から買いが先行したものの、FRB高官らのタカ派的な発言が伝わると、FRBが利上げペースを緩めるとの見方が後退し一転売りが優勢となった。
・原油先物相場は反発。ペロシ米下院議長が台湾に到着し、中国に過激な報復行動が見られなかったことを受けてリスクオフの動きが緩み、一時96ドル台まで買い戻しが入ったが、為替相場でドル高が進んだ動きを眺めながら急速に上げ幅を縮小した。市場では3日に控えている石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」会合に注目が集まっている。
・金先物相場は5日続伸。ペロシ米下院議長の訪台をめぐり米中の緊張感の高まりへの警戒感で投資家のリスクオフが先行し、12月限は一時1805.0ドルまで上昇した。ただ、米長期金利が大幅に上昇し、為替相場でドル高が進んだことを受けて、金先物は上げ分をほぼ吐き出した。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=133.17円(前営業日比△1.56円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=135.39円(△0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0166ドル(▲0.0096ドル)
ダウ工業株30種平均:32396.17ドル(▲402.23ドル)
ナスダック総合株価指数:12348.76(▲20.22)
10年物米国債利回り:2.75%(△0.18%)
WTI原油先物9月限:1バレル=94.42ドル(△0.53ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1789.7ドル(△2.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は5日ぶりに反発。ペロシ米下院議長の台湾訪問で、米中間の緊張が激化するとの懸念から、アジア市場では一時130.41円と6月3日以来約2カ月ぶりの安値を付けたが、NY市場では底堅く推移した。
デイリー米サンフランシスコ連銀総裁はこの日、「米連邦準備理事会(FRB)のインフレ対策は終了からほど遠い」と述べたうえ、「FRBが来年には利下げを始める」との観測が出ていることについて「困惑している。市場参加者はデータのどこを見ているのか。私の見通しとは異なる」と批判した。また、エバンズ米シカゴ連銀総裁は「9月会合での0.50%利上げは合理的だが0.75%でも問題ない」「9月以降は来年上期まで0.25%の追加利上げ継続を引き続き期待する」と述べたほか、メスター米クリーブランド連銀総裁は「インフレは全く落ち着いていない」「FRBはインフレ抑制にコミットしている」と語った。市場で台頭していたFRBが利上げペースを緩めるとの見方が後退し、米国債の売り(金利は上昇)とドル買いが強まった。ペロシ氏の台湾到着が無事確認されたことも円売り・ドル買いを促し、取引終了間際に一時133.18円と日通し高値を更新した。
なおペロシ氏の台湾到着後、中国軍東部戦区は2日夜から台湾周辺で演習や実弾射撃などの軍事行動を実施し、中国人民解放軍は「4-7日に軍事演習を実施する」と表明したが、過激な報復行動は見られず、台湾情勢を巡るリスク・オフの動きはいったん和らいだ。市場では「米中間の緊張が大幅にエスカレートした場合の影響は大きいものの、現時点ではそのような可能性は低いだろう」との声が聞かれた。
・ユーロドルは3日ぶり反落。ペロシ氏の台湾訪問を巡り、米中関係の緊張を警戒した動きも見られたが、FRB高官らのインフレ警戒を改めて強調する発言をきっかけに米長期金利が大幅に上昇すると全般ドル買いが活発化した。前日の安値1.0205ドルを下抜けて一時1.0164ドルまで下げ足を速めた。
NY序盤に一時2.52%台まで低下した米10年債利回りは2.77%台まで急上昇した。
・ユーロ円は4日ぶりに反発。台湾情勢を巡る地政学リスクへの不安から、リスク・オフの円買い・ユーロ売りが先行。21時30分過ぎに一時133.40円と5月13日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ドル円の上昇につれた買いが入り、一時135.41円と日通し高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。ペロシ米下院議長の台湾訪問で、米中間の緊張が激化するとの懸念から売りが先行したものの、ペロシ氏が無事に台湾に到着したと伝わると下げ渋った。もっとも、FRB高官らのインフレ警戒を改めて強調する発言が伝わると、FRBが利上げペースを緩めるとの見方が後退し売りが広がった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに大幅反落。ペロシ米下院議長の台湾訪問で、米中間の緊張が激化するとの懸念から買いが先行したものの、FRB高官らのタカ派的な発言が伝わると、FRBが利上げペースを緩めるとの見方が後退し一転売りが優勢となった。
・原油先物相場は反発。ペロシ米下院議長が台湾に到着し、中国に過激な報復行動が見られなかったことを受けてリスクオフの動きが緩み、一時96ドル台まで買い戻しが入ったが、為替相場でドル高が進んだ動きを眺めながら急速に上げ幅を縮小した。市場では3日に控えている石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」会合に注目が集まっている。
・金先物相場は5日続伸。ペロシ米下院議長の訪台をめぐり米中の緊張感の高まりへの警戒感で投資家のリスクオフが先行し、12月限は一時1805.0ドルまで上昇した。ただ、米長期金利が大幅に上昇し、為替相場でドル高が進んだことを受けて、金先物は上げ分をほぼ吐き出した。
(中村)