ニューヨーク外国為替市場概況・6日 ドル円、24年ぶり高値更新

 6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は大幅続伸。終値は142.80円と前営業日NY終値(140.60円)と比べて2円20銭程度のドル高水準だった。米10年債利回りが一時3.3531%前後と約3カ月ぶりの高水準を付けると円売り・ドル買いが先行。8月米ISM非製造業指数が56.9と予想の55.1を上回ったことが分かると全般ドル買いが活発化し、一時143.07円と1998年8月以来約24年ぶりの高値を更新した。
 積極的な金融引き締め政策が長期化するとの観測が強まる米連邦準備理事会(FRB)と、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ドル買いが出た面もあった。

 円はドル以外の通貨に対しても軟調だった。ポンド円は一時165.10円、豪ドル円は96.52円、NZドル円は86.54円、カナダドル円は108.97円、スイスフラン円は145.35円まで値を上げた。エネルギー価格の高騰を受け欧州を中心に世界的に金利が上昇する中、低金利が続く円を売る動きが広がった。

 ユーロドルは続落。終値は0.9904ドルと前営業日NY終値(0.9929ドル)と比べて0.0025ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の上昇や予想を上回る8月米ISM非製造業指数を手掛かりにドル買いが先行し、一時0.9864ドルと2002年6月以来約20年ぶりの安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時110.55と02年6月以来の高値を付けた。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。市場では「ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測された」との声も聞かれ、0.9929ドル付近まで下げ幅を縮める場面があった。

 ユーロ円は3日続伸。終値は141.43円と前営業日NY終値(139.61円)と比べて1円82銭程度のユーロ高水準。各国中銀の金融引き締め政策に注目が集まる中、日銀のみが大規模な金融緩和を続ける構図に改めて焦点があたり、円を売る動きが広がった。1時過ぎには一時141.76円と7月21日以来の高値を付けた。

本日の参考レンジ
ドル円:140.25円 - 143.07円
ユーロドル:0.9864ドル - 0.9986ドル
ユーロ円:139.56円 - 141.76円

(中村)
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