欧州マーケットダイジェスト・6日 欧州長期金利上昇・株安・ドル高

(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.96円(6日15時時点比△0.44円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=142.31円(▲1.08円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9816ドル(▲0.0106ドル)
FTSE100種総合株価指数:6997.27(前営業日比▲55.35)
ドイツ株式指数(DAX):12470.78(▲46.40)
10年物英国債利回り:4.169%(△0.134%)
10年物独国債利回り:2.085%(△0.051%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>   <前回発表値>
8月独製造業新規受注
前月比                ▲2.4%     1.9%・改
前年比                ▲4.1%    ▲11.0%・改
9月英建設業購買担当者景気指数(PMI) 52.3       49.2
8月ユーロ圏小売売上高
前月比                ▲0.3%    ▲0.4%・改
前年比                ▲2.0%    ▲1.2%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ポンドドルは軟調。英国の長期金利に再び上昇圧力がかかる中、欧米株価が下落したことを受けてリスク・オフのドル買いが優勢となった。1時過ぎには一時1.1114ドルと日通し安値を付けた。市場では英中銀(BOE)が国債の買い入れを減らし、債券需給が緩むことへの警戒感が浮上。英30年債利回りは一時4.397%前後まで上昇し、9月28日以来1週間ぶりの高水準を付けた。英10年債利回りも4.2%台に乗せ、1週間ぶりの高水準を付けた。
 BOEの国債の買い入れについては、前日まで連日で購入していないことが判明。6日も入札された国債の一部しか購入していないと伝わった。市場では「BOEの市場介入が限定的なものにとどまる」との見方が強まり、債券売りを誘った。

・ユーロドルも軟調だった。欧米の長期金利に再び上昇圧力がかかる中、欧州各国の株式相場が下落。リスク・オフのドル買いが優勢となり、1時30分前に0.9788ドルと日通し安値を更新した。9月8日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨では「高インフレが定着するとの懸念が高まる中、経済成長鈍化を代償にしても積極的に金融政策を引き締める必要がある」との見解が示された。ECBの大幅利上げ継続がユーロ圏の景気悪化につながるとの懸念も高まった。

・ドル円は底堅い。欧州株相場の下落を背景にリスク・オフのドル買いが進んだ流れに沿ってじり高の展開が続いた。NYの取引時間帯に入ると、米10年債利回りが3.84%台まで上昇したことを手掛かりに全般ドル買いが活発化。前日の高値144.85円や4日の高値144.93円を上抜けて、一時145.08円まで上値を伸ばした。
 なお、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁はこの日、「インフレに関してまだやるべきことがある」「積極的な利上げを一時停止するのはかなり先」などと述べ、足もとで俄かに高まっている米連邦準備理事会(FRB)の利下げ転換期待をけん制した。

・ユーロ円は頭が重かった。ユーロドルの下落につれた売りが出たほか、欧米株価の下落に伴う円買い・ユーロ売りが入り一時141.96円と本日安値を付けた。

・オセアニア通貨は軟調だった。欧米株相場が下落するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは0.6390米ドル、NZドル米ドルは0.5640米ドルまで値を下げたほか、豪ドル円は92.64円、NZドル円は81.79円と日通し安値を付けた。

・ロンドン株式相場は続落。英石油大手シェルが発表した業績見通しの内容が嫌気されて同社株が大幅に下落すると、他のエネルギー株にも売りが波及し指数全体を押し下げた。英国の長期金利に再び上昇圧力がかかっていることも相場の重しとなった。アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株も軟調だった。

・フランクフルト株式相場は続落。欧米の長期金利に再び上昇圧力がかかる中、欧州各国の株式相場が下落した流れに沿った。時間外のダウ先物の下落も相場の重し。個別ではミュンヘン再保険(2.60%安)やハノーバー再保険(2.04%安)、ドイツ証券取引所(1.70%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。ECBの大幅利上げ観測が高まり、独国債に売りが出た。

(中村)
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