ロンドン為替見通し=ポンドドル、次期英政権への不透明感から伸び悩む展開か

 本日のロンドン為替市場のポンドドルは、トラス英首相の辞任を受けて、次期英政権への不透明感から伸び悩む展開が予想される。

 トラス英首相の辞任表明を受けて、次期保守党党首選の届け出は24日に締め切られ、上位2人に絞り込む議員投票が行われ、上位2人に対する一般党員のオンライン投票の結果は28日に発表される。
 後任候補には、今夏の保守党党首選でトラス氏との決選投票に臨んだスナク元財務相、党首選に立候補していたモーダント前通商政策担当相(元国防相)、シャップス新内相、バデノック国際貿易相、内相を解任されたブレーバーマン氏、そして、ジョンソン前英首相も出馬する可能性が報じられている。
 そして、新首相は、今月31日に財政計画を発表できる見通しとなっている。

 トラス英首相が9月23日に大規模減税計画を発表して、トリプル安を招いた時、リスクシナリオとして、1)クワーテング英財務相の更迭、2)トラス英首相の辞任、3)解散・総選挙、が警戒されていた。
 現時点で、クワーテング英財務相は更迭され、トラス英首相は辞任したことで、残されたリスクシナリオである解散・総選挙への警戒感が高まりつつある。
 英国下院は、保守党が多数派を占めているが、世論調査では、野党労働党が30%以上の大差をつけている。
 常識的には、保守党が敗北することが確実な解散・総選挙を選ぶことはあり得ないが、保守党からは過去7年足らずで5人目の首相を選出するという混迷に陥っており、国民の批判が高まりつつあるため、予断を許さない政治状況が続くことになる。

 ウクライナ情勢に関しては、中国外務省がウクライナ在住の中国人に対して国外退去を通知した、との報道、プーチン露大統領が、ロシアが一方的に併合したウクライナの東・南部4州に戒厳令を敷く大統領令に署名したことなどで、ウクライナへの大規模な攻撃の可能性が警戒されている。

想定レンジ上限
・ユーロドル: 0.9876ドル(10月18日の高値)
・ユーロ円:147.30円(10月20日の高値)
・ポンドドル:1.1358ドル(10月19日の高値)
・ポンド円: 169.81円(10月18日の高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル: 0.9633ドル(10月13日の安値)
・ユーロ円:146.24円(10月20日の安値)
・ポンドドル:1.1152ドル(10月14日の安値)
・ポンド円:167.43円(10月20日の高値)



(山下)
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