ロンドン為替見通し=ポンド 神経質な動き継続か、英保守党は党大会を開催中

 本日のロンドンタイムは、神経質に動くことが予想されるポンドの動きに依然として注目。またウクライナ・ロシアを巡る地政学リスクにも警戒は必要だろう。東京早朝から上サイドにギャップを作って始まった原油相場の動向も目を向けておきたい。

 週末に報じられたトラス英首相と英テレグラフ紙とのインタビュー記事では、先月下旬の市場混乱に繋がった大型減税を含む財政政策について全てを堅持する考えを示した。一方トラス首相は、財政案で問題視されている所得税の最高税率廃止はクワーテング財務相が決めたことだとし、一部メディアによれば、廃止案は撤回の方向で調整されているという。

 大規模な減税案を柱とする成長計画をトラス政権が発表後、与党・保守党の支持率はガタ落ちしている。その保守党は2日から5日までの予定で党大会を開催。党大会では新政権がかなり厳しい立場に立たされるなか、首相の発言が二転三転することも予想される。財政悪化への懸念を緩めるようであれば、英資産にとってはポジティブだろう。ただし、小手先だけの策に終われば、政局混乱も含めた英国発リスクへの警戒感が更に高まることもありそうだ。

 ロシアは先月末、ウクライナの東・南部4州の併合を宣言。しかしながら、それらに含まれる東部の要衝リマンをウクライナ軍が奪還した。一部報道は、英国防省の分析「ロシアにとって大きな政治的な挫折を意味する」を報じている。ただ追い込まれたプーチン露大統領が核兵器まで使用するリスクは逆に高まったとも言える。

 石油輸出国機構(OPEC)プラスが5日の会合で日量100万バレルの減産を検討との報道を受け、原油先物は先週末終値から上向きに窓を開けて始まった。会合に向けた思惑で原油相場は荒い値動きになると思われ、産油国通貨の動きにも影響しそうだ。

想定レンジ上限
・ポンドドルは9月23日(減税案の発表日)高値1.1274ドル、ユーロドルが21日移動平均線0.9880ドル。

想定レンジ下限
・ポンドドルは9月30日安値1.1025ドル、ユーロドルも同日安値0.9735ドル。


(小針)
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