NYマーケットダイジェスト・9日 株安・金利低下・ドル高・ビットコイン急落

(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.47円(前営業日比△0.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=146.60円(▲0.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0011ドル(▲0.0063ドル)
ダウ工業株30種平均:32513.94ドル(▲646.89ドル)
ナスダック総合株価指数:10353.18(▲263.02)
10年物米国債利回り:4.09%(▲0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=85.83ドル(▲3.08ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1713.7ドル(▲2.3ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数(前週比)   ▲0.1%     ▲0.5%
9月米卸売売上高(前月比)      ▲1.4%     1.6%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは4日ぶりに反落。米10年債利回りが4.17%台まで上昇したことなどを手掛かりに全般ドル買いが先行。ダウ平均が一時680ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移したこともリスク・オフのドル買いを促し、4時30分過ぎに一時0.9993ドルと日通し安値を付けた。
 「ショイグ露国防相はヘルソン市からの撤退を命令した」との報道が伝わると、ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぎ1.0086ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。アジア時間に付けた日通し高値1.0088ドルが目先レジスタンスとして意識されたほか、ウクライナ大統領顧問が「ヘルソン市にはまだ露軍が留まっており、増員されている」と明らかにしたことが嫌気された。

・ドル円は反発。米国株相場の下落に伴うリスク・オフのドル買いが優勢となり、一時146.80円と日通し高値を更新した。米10年債利回りは米10年債入札後に4.17%台まで上昇したものの、引けにかけては4.05%台まで急低下した。
 なお、米中間選挙の開票結果については「大勢が明らかになるまでには時間がかかる可能性」と報じられており、市場の関心は「明日10日の10月米消費者物価指数(CPI)へと移行している」との声が聞かれた。

・ユーロ円は続落。21時30分過ぎに一時146.32円と本日安値を付けたものの、24時過ぎには147.10円と本日高値を付けた。ただ、そのあとは146円台半ばまで押し戻された。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。

・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインはこの日も売りが継続。対ドルでは一時1万5665ドル前後と2020年11月以来約2年ぶりの安値を更新したほか、対円では230万円台と20年12月以来の安値を付けた。仮想通貨交換業最大手バイナンスが資金繰りに行き詰まっている同業大手のFTXトレーディングへの買収提案を「撤回した」と伝わると、売りが膨らんだ。
 バイナンスが買収に向けた査定を進めた結果、FTXの財務に大きな穴があることがわかり、発表後わずか1日で買収を取りやめる異例の事態となった。さらに、米当局はFTXと関連事業について「顧客資金や融資を巡る調査を実施する」との報道も伝わった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに大幅反落。米中間選挙の開票状況に関心が集まる中、売りが優勢となった。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りも出て、一時680ドル超下げた。個別では前日に発表した四半期決算が嫌気されたウォルト・ディズニーが13%を超す大幅安となった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日ぶりに大幅反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。米10年債入札が低調だったことが伝わると売りが優勢となったものの、引けにかけて持ち直した。米国株相場の大幅下落を受けて、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

・原油先物相場は3日続落。前日発表の米石油協会(API)の週間原油在庫が積み増しになっていたことで上値が重かったが、本日発表された米エネルギー省(EIA)週間石油在庫も市場予想を上回る積み増しとなったことで売りに拍車が付いた。また、米金利が上昇し引け前には、円、欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル買いが進んだことで、ドルで取引される原油先物には割高感となったことで下げ幅を広げた。

・金先物相場は3日続伸。米金利が低下する局面では、一時金先物は1725ドル台まで上昇する場面があった。しかしながら、米10年債の入札が低調に終わると、米金利が上昇に連れてドル買いが進み、ドルで取引される金先物は割高感で上値が抑えられ4日ぶりに反落して引けた。

(中村)
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