東京為替見通し=ドル円、上値が重い展開か 米10年債利回りが伸び悩み
29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが一時3.81%台まで低下したことなどで132.88円まで下落した。ユーロドルは米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りで一時1.0690ドルまで上昇した。ユーロ円は、ドル円の下落につれて一時141.58円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの伸び悩みで反落したニューヨーク市場の流れを受けて上値が重い展開が予想される。
しかしながら、本日はすでに本邦輸出・輸入企業が年末・年始の休暇に入ったこと、全国の証券取引所が「掉尾(とうび)の一振」の可能性が高まった大納会となること、オセアニア市場は短縮取引となることで、動きづらいという可能性もある。
年末ということもあり、ドル円のテクニカル分析で現在位置を確認しておきたい。
中期的には、10月21日の高値151.95円を頭、ネック・ラインを130.41円と130.58円にした「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成中であり、現在は、A波動(5波動)の下落に続くB波動(3波動)で左肩の139.39円に対応する右肩を形成中だと思われる。
右肩を形成した後は、C波動(5波動)での下落でネック・ラインを下抜けて、天井圏での反転パターンであるヘッド・アンド・ショルダーが完成することになる。そして、頭(151.95円)からネック・ラインまでの値幅30円程度の下落、すなわち、110円台を目標値とする下落トレンドがシナリオ(1)となる。
このシナリオ(1)では、ドル高・円安8年サイクルの2023年6月が、2022年10月に前倒しされたことになり、ドル安・円高の要因としては、FEDピボット(FRBの利下げ転換)やBOJピボット(日銀の利上げ転換)が想定される。
しかし、ヘッド・アンド・ショルダーは、天井圏での反転パターンの他に、上昇トレンド途上での保ち合いパターンもある。すなわち、ネック・ラインで下げ止まり、V計算値の152.70円処(=125.86円+26.84円)や斜行三角形の起点である1990年4月の高値160円台を目指すシナリオ(2)の可能性も残されている。
このシナリオ(2)では、ドル高・円安8年サイクルの2023年6月と米連邦公開市場委員会(FOMC)のドット・プロットでのターミナルレート5.10%(※FF金利誘導目標5.00-25%)への到達時期が整合的となる。
短期的には、20日のYCCショックによる大陰線(高値137.48円・安値130.58円)を7手でも埋め切れていないことで、「下げ三法」的には売りシグナルとなる。さらに、半値戻し(134.03円)をやや上回る134.50円までの反発に留まり、「半値戻しは全値戻し」となったことも、下落トレンドがメインで、反発は綾戻しに過ぎない可能性が示唆されている。
「半値戻しは全値戻し」という格言は、下落トレンドの時に有効なものであり、買い持ちポジションは、全値戻しまで待つのではなく、半値戻しでの手仕舞いを推奨するものである。上昇トレンドでの押し目での下落に対する半値戻しならば、半値戻しした相場は、全値を戻すエネルギーがあるという解釈となる。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの伸び悩みで反落したニューヨーク市場の流れを受けて上値が重い展開が予想される。
しかしながら、本日はすでに本邦輸出・輸入企業が年末・年始の休暇に入ったこと、全国の証券取引所が「掉尾(とうび)の一振」の可能性が高まった大納会となること、オセアニア市場は短縮取引となることで、動きづらいという可能性もある。
年末ということもあり、ドル円のテクニカル分析で現在位置を確認しておきたい。
中期的には、10月21日の高値151.95円を頭、ネック・ラインを130.41円と130.58円にした「ヘッド・アンド・ショルダー」を形成中であり、現在は、A波動(5波動)の下落に続くB波動(3波動)で左肩の139.39円に対応する右肩を形成中だと思われる。
右肩を形成した後は、C波動(5波動)での下落でネック・ラインを下抜けて、天井圏での反転パターンであるヘッド・アンド・ショルダーが完成することになる。そして、頭(151.95円)からネック・ラインまでの値幅30円程度の下落、すなわち、110円台を目標値とする下落トレンドがシナリオ(1)となる。
このシナリオ(1)では、ドル高・円安8年サイクルの2023年6月が、2022年10月に前倒しされたことになり、ドル安・円高の要因としては、FEDピボット(FRBの利下げ転換)やBOJピボット(日銀の利上げ転換)が想定される。
しかし、ヘッド・アンド・ショルダーは、天井圏での反転パターンの他に、上昇トレンド途上での保ち合いパターンもある。すなわち、ネック・ラインで下げ止まり、V計算値の152.70円処(=125.86円+26.84円)や斜行三角形の起点である1990年4月の高値160円台を目指すシナリオ(2)の可能性も残されている。
このシナリオ(2)では、ドル高・円安8年サイクルの2023年6月と米連邦公開市場委員会(FOMC)のドット・プロットでのターミナルレート5.10%(※FF金利誘導目標5.00-25%)への到達時期が整合的となる。
短期的には、20日のYCCショックによる大陰線(高値137.48円・安値130.58円)を7手でも埋め切れていないことで、「下げ三法」的には売りシグナルとなる。さらに、半値戻し(134.03円)をやや上回る134.50円までの反発に留まり、「半値戻しは全値戻し」となったことも、下落トレンドがメインで、反発は綾戻しに過ぎない可能性が示唆されている。
「半値戻しは全値戻し」という格言は、下落トレンドの時に有効なものであり、買い持ちポジションは、全値戻しまで待つのではなく、半値戻しでの手仕舞いを推奨するものである。上昇トレンドでの押し目での下落に対する半値戻しならば、半値戻しした相場は、全値を戻すエネルギーがあるという解釈となる。
(山下)