東京為替見通し=ドル円、日米10年国債金利差縮小で軟調推移か

 25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利の低下を受けて129.27円まで下落した。ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)が大幅な利上げを継続するとの観測を背景に1.0924ドルまで上昇した。ユーロ円は140.76円まで下落した後、ユーロドルの上昇を受けて141.40円台まで反発した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日米10年国債金利差の縮小を受けて軟調推移が予想される。

 8時50分に発表される1月17・18日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」では、イールドカーブコントロール(YCC)の許容変動幅拡大や共通担保資金供給オペ拡充に関する見解を見極めることになる。
 日銀金融政策決定会合では、海外勢によるイールドカーブコントロール(YCC)許容変動幅の±0.75%への拡大期待を裏切り、±0.5%で据え置かれ、共通担保資金供給オペの拡充が打ち出された。
 ドル円は、18日の決定を受けて、128円台から131.58円まで買い戻され、23日の共通担保資金供給オペ実施を受けて、129円台から130.89円まで買い戻された。
 「主な意見」では、市場のYCC許容変動幅拡大への思惑を否定する見解が多数派だと推定される。注目ポイントは、共通担保資金供給オペが、新体制発足までの時限的な措置なのか、それとも、発足後も「指し値オペ」と「共通担保資金供給オペ」が当分併存していくことになるのかを見極めることになる。

 日本銀行のYCC許容変動幅拡大や撤廃に賭ける、ドル円と日本国債の売り仕掛けは、2月10日頃に予定されている、次期日銀総裁と副総裁候補の発表、そして、候補者による国会でのヒアリングまで先送りされたのかもしれない。

 テクニカル分析では、投機筋による賭けが成功する可能性が示唆されている。
 米10年債利回りは、昨年10月21日の4.335%を頭とするヘッド・アンド・ショルダーがほぼ完成して、目標値2.78%が点灯しており、FEDピボット(FRBの利下げ転換:ドル安要因)を示唆している。
 日本国債10年物利回りは、ダブル・ボトム(▲0.291%・▲0.289%)が完成しており、BOJピボット(日銀の利上げ転換:円高要因)による円債金利の上昇基調を示唆している。
 ドル円は、昨年10月21日の高値151.95円を頭とするヘッド・アンド・ショルダーのネック・ライン(130.41円)を巡る攻防が続いているが、本日はネック・ラインを下回っており、下値リスクが高まりつつある。




(山下)
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