NYマーケットダイジェスト・8日 株安・金利低下・ドル底堅い

(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=131.40円(前営業日比△0.33円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.77円(△0.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0712ドル(▲0.0014ドル)
ダウ工業株30種平均:33949.01ドル(▲207.68ドル)
ナスダック総合株価指数:11910.52(▲203.27)
10年物米国債利回り:3.61%(▲0.06%)
WTI原油先物3月限:1バレル=78.47ドル(△1.33ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=1890.7ドル(△5.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数(前週比)   7.4%       ▲9.0%
12月米卸売売上高(前月比)      0.0%      ▲1.4%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前日のインタビューで「ディスインフレのプロセスが始まった」と発言したことが意識されて、欧州市場では一時130.60円まで値を下げた。
 ただ、NY市場に入ると買い戻しが優勢に。米10年債利回りが一時3.6904%前後と約1カ月ぶりの高水準を記録したことがドル買いを誘ったほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁がイベントで「インフレ抑制には数年間、十分に制限的な政策スタンスを維持する必要」と述べたことが相場の支援材料となった。1時前に一時131.54円と日通し高値を更新した。
 10年債入札が好調だったことを受けて米10年債利回りが低下に転じると、ドル円も131.09円付近まで伸び悩んだものの、下押しは限定的だった。ウォラーFRB理事が「一部の人々が予想しているよりも長い間、高い金利が必要になる可能性がある」と述べたことが相場を下支えした。

・ユーロドルは小幅下落。欧州序盤に一時1.0761ドルまで値を上げたものの、前日の高値1.0766ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。FRB高官らのタカ派的なコメントも相場の重しとなり、一時1.0710ドルと日通し安値を更新した。
 なお、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁はこの日、「市場はインフレ傾向に関して楽観的すぎる可能性」「3月以降の追加利上げを除外しない」と述べたほか、クノット・オランダ中銀総裁は「5月に0.50%の利上げが必要になる可能性」などと発言。また、カザークス・ラトビア中銀総裁は「3月以降の利上げを休止または停止する理由はない」と語ったが、相場の反応は限られた。

・ユーロ円は反発。20時30分過ぎに一時140.38円付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値140.29円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。1時前には141.03円と日通し高値を更新した。ユーロドルの下落につれた売りが出た半面、ドル円の上昇につれた買いが入った。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「インフレ抑制には数年間、十分に制限的な政策スタンスを維持する必要」と述べたうえ、ウォラーFRB理事が「一部予想よりも長い間、高い金利が必要になる可能性」と発言すると、FRBが早期に利上げを停止するとの期待が後退。利上げ継続が景気を冷やすとの見方から、株売りが優勢となった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反発。FRB高官らのタカ派的な発言が相次ぐと、米利上げの早期停止観測が後退。債券売りが先行し、利回りは一時3.6904%前後と約1カ月ぶりの高水準を更新した。ただ、好調な10年債入札をきっかけに債券買いが強まると上げに転じた。

・原油先物相場は3日続伸。ゼロコロナ緩和による中国の需要回復への期待と、トルコの地震による同地域の原油輸送停滞が引き続き材料視された。米週間原油在庫の積み増し継続を受けて多少軟化する場面もあったが、強い押し下げ要因にはならなかった。

・金先物相場は3日続伸。米10年債利回りは一時3.69%まで上昇したものの、3.62%台へ押し返されるなど、米金利が素直に上がりにくい状態。金利が付かない資産である金を買いやすい状態のなか米株が反落。リスク回避資産を志向する動きも、金の支援材料となった。

(中村)
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