NYマーケットダイジェスト・13日 株まちまち・金利低下・ドル安

(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=133.21円(前営業日比▲1.82円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=142.96円(▲0.74円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0731ドル(△0.0088ドル)
ダウ工業株30種平均:31819.14ドル(▲90.50ドル)
ナスダック総合株価指数:11188.84(△49.95)
10年物米国債利回り:3.57%(▲0.13%)
WTI原油先物4月限:1バレル=74.80ドル(▲1.88ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=1916.5ドル(△49.3ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。米中堅銀行シリコンバレーバンクに続き、地方銀行シグネチャー・バンクの経営破綻で金融システムリスクへの警戒が広がると、欧州株相場が大幅に下落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが先行した。米銀2行の経営破綻を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの観測が浮上したこともドル売りを誘った。22時前に一時132.29円と約1カ月ぶりの安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、4時過ぎには133.62円付近まで下げ幅を縮めた。一時は280ドル超下落したダウ平均が持ち直し、330ドル超上昇したことで、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが出た。3.41%台まで低下した米10年債利回りが3.58%台まで戻したことも相場を下支えした。
 なお、バイデン米大統領はこの日の演説で「銀行システムも預金も安全なことは確実。私たちは必要なことは何でもしていく」と述べ、平静を呼びかけた。また、銀行システムの規制強化を議会に求めていく考えを示した。

・ユーロドルは3日続伸。欧州株の急落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0651ドル付近まで下押ししたものの、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.0640ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢となった。米銀2行の経営破綻を受けてFRBが利上げ継続に慎重になるとの見方が強まると、金融政策の影響を受けやすい米2年債の利回りが65bp近く急低下。欧米金利差が縮小し、ユーロ買い・ドル売りが進んだ。2時過ぎには一時1.0749ドルと約1カ月ぶりの高値を付けた。

・ユーロ円は3日続落。22時前に一時141.37円と日通し安値を付けたものの、米国株が底堅く推移したことで、リスク・オフの動きが和らぐと買い戻しが優勢に。4時過ぎには143.31円付近まで下げ渋った。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落し、昨年10月24日以来の安値となった。米銀2行の経営破綻を受けて金融システムリスクへの警戒が広がる中、銀行株中心に売りが先行。指数は一時280ドル超下落した。ただ、FRBが米国の預金取扱銀行に対して追加の資金供給を実施すると発表したほか、バイデン米大統領が「銀行システムも預金も安全なことは確実。私たちは必要なことは何でもしていく」と表明すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退。買い戻しが優勢となり、指数は一時330ドル超上昇する場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に3日続伸。米銀2行の経営破綻を受けて金融システムリスクへの警戒が広がると、投資家がリスク回避姿勢を強め相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは一時3.4119%前後と2月3日以来の低水準を付けた。
 なお、市場では「FRBが利上げ継続に慎重になる」との見方が強まり、米金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りが急低下。一時3.9350%前後と昨年9月21日以来の低水準を付けた。

・原油先物相場は大幅に反落。週末を挟み複数の米銀が破綻したことをきっかけに、市場がリスク回避の動きに動いた。リスク資産とされる原油先物価格にも売りが入り、2月22日以来の安値で引けた。

・金先物相場は3日大幅続伸。週末にシリコンバレー銀などの破綻をきっかけに、米金融不安が高まっていることもあり、リスク回避の動きが強まり安全資産とされる金先物は大幅に続伸した。為替市場でドル安が進んだ影響も支えになった。米株が反発する場面でも、金価格は堅調地合いを維持した。

(中村)
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