ニューヨーク外国為替市場概況・27日 ドル円、4日ぶり反発

 27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反発。終値は131.57円と前営業日NY終値(130.73円)と比べて84銭程度のドル高水準だった。「米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)を買収することで合意した」との報道が伝わると、金融システム不安に対する強い警戒感が和らぎ欧米株相場が底堅く推移。投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが優勢となった。「米当局は地銀への緊急融資制度の拡充など支援策を検討している」と伝わったことも円売り・ドル買いを促し、一時131.76円と日通し高値を更新した。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日、明日28日に米上院銀行委員会公聴会に出席するバーFRB副議長(銀行監督担当)の冒頭証言を公表。バー副議長は「システムを安全かつ健全に保つために必要なら、金融機関の規模にかかわらず、すべての手段を使う用意がある」と表明する。

 ユーロドルは3日ぶりに反発。終値は1.0798ドルと前営業日NY終値(1.0760ドル)と比べて0.0038ドル程度のユーロ高水準だった。金融システム不安に対する過度な警戒感が和らぐ中、先週末に大きく売られたドイツ銀行が大幅反発すると、投資家心理が改善しユーロ買い・ドル売りが優勢となった。5時過ぎには一時1.0800ドルと日通し高値を更新した。

 ユーロ円は4日ぶりに反発。終値は142.07円と前営業日NY終値(140.66円)と比べて1円41銭程度のユーロ高水準。欧州時間発表の3月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことを受けて円売り・ユーロ買いが先行。ダウ平均が一時320ドル超上昇すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ユーロ買いがさらに進んだ。3時30分過ぎには一時142.22円と日通し高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も上昇が目立った。ポンド円は一時161.85円、豪ドル円は87.54円、カナダドル円は96.50円、スイスフラン円は143.74円、メキシコペソ円は7.18円まで値を上げた。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは急落した。対ドルでは一時2万6543ドル前後まで下落したほか、対円では349万円台まで売られた。「米商品先物取引委員会(CFTC)は大手仮想通貨取引所バイナンスと同社CEOのチャンポン・ジャオ氏を規制違反の疑いで提訴した」との報道が嫌気された。なお、バイナンスが発行するバイナンスコインも下落した。

本日の参考レンジ
ドル円:130.41円 - 131.76円
ユーロドル:1.0745ドル - 1.0800ドル
ユーロ円:140.41円 - 142.22円

(中村)
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