NYマーケットダイジェスト・13日 PPI下振れで株高・ドル安

(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=132.58円(前営業日比▲0.55円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=146.46円(△0.12円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1046ドル(△0.0054ドル)
ダウ工業株30種平均:34029.69ドル(△383.19ドル)
ナスダック総合株価指数:12166.27(△236.93)
10年物米国債利回り:3.45%(△0.06%)
WTI原油先物5月限:1バレル=82.16ドル(▲1.10ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2055.3ドル(△30.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)        <発表値>   <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数   23.9万件    22.8万件
3月米卸売物価指数(PPI)
前月比                ▲0.5%    0.0%・改
前年比                2.7%     4.9%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
前月比                ▲0.1%    0.2%・改
前年比                3.4%     4.8%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続伸。前日の3月米消費者物価指数(CPI)に続き、本日の3月米卸売物価指数(PPI)が下振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの見方が広がった。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢になると、23時前に一時1.1068ドルと昨年4月以来1年ぶりの高値を付けた。
 米長期金利が上昇に転じると伸び悩んだものの、下押しは1.1044ドル付近にとどまった。ナーゲル独連銀総裁やウンシュ・ベルギー中銀総裁など、欧州中央銀行(ECB)当局者が利上げ継続を相次ぎ示唆したことで、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。

・ドル円は続落。21時過ぎに一時133.39円と日通し高値を付けたものの、インフレの鈍化や労働市場の過熱感が後退したことを示す経済指標の発表を受けて一転売りが優勢となった。23時前に一時132.02円と日通し安値を更新した。
 ただ、節目の132.00円手前では押し目買いなどが入ったため下げ渋った。一時は3.36%台まで低下した米10年債利回りが3.45%台まで上昇したことも買い戻しを促し、132.80円付近まで下げ幅を縮めた。

・ユーロ円は小幅ながら6日続伸。ECB高官が高インフレに対応するため利上げの継続が必要との認識を相次いで示したことから、欧利上げ長期化観測が高まった。欧州市場では一時146.89円と昨年11月9日以来約5カ月ぶりの高値を付けた。
 NY市場ではドル円の下落をきっかけに円買い・ユーロ売りが先行し一時146.08円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。米国株相場の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善し、円売り・ユーロ買いが進んだ。4時30分過ぎには146.70円付近まで値を戻した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、2月15日以来約2カ月ぶりの高値となった。前日の3月米CPIに続き、本日の3月米PPIがインフレの鈍化を示す内容と受け止められ、FRBの利上げ長期化観測が後退。高PER(株価収益率)のハイテク株中心に買いが集まり、相場の押し上げ要因となった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに大幅反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。3月米PPIが予想を下回り、インフレの鈍化が示されると、債券買いが先行した。ただ、米国株相場が大幅に反発すると相対的に安全資産とされる米国債には売りが出たため、下げて転じた。

・原油先物相場は3日ぶりに反落。米経済指標の結果を受けたドル安でドル建ての原油に割安感から買いが入る場面もあったが、米経済が景気後退(リセッション)入りするとの懸念が強まったことや、石油輸出国機構(OPEC)が今年の石油需要予測を下方修正したことが嫌気され、利食い売りに押された。

・金先物相場は3日続伸し、中心限月清算値ペースで約2年8カ月ぶりの高値水準となった。連日米経済指標がさえない結果となり、FRBが早期に利上げ停止に動くとの見方が強まり、金利を生まない金に買いが入った。また、米景気後退懸念が浮上したことや、為替市場でドル安が進んだことも金の買いを後押した。

(中村)
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