週間為替展望(ドル/ユーロ)-日銀金融政策と3月米インフレ率に注目
◆ドル円、日銀金融政策決定会合と米3月PCE総合価格指数に注目
◆米国金融システムの状況にも注意
◆ユーロドル、ユーロ圏第1四半期GDP速報値を見極め
予想レンジ
ドル円 132.00-137.00円
ユーロドル 1.0800-1.1100ドル
4月24日週の展望
ドル円は、27-28日に開催される日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁の記者会見に注目する展開となりそうだ。植田総裁は就任会見で、「大規模な金融緩和策を継続することが適当だ」と述べたほか、「マイナス金利やイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を変更する必要性がない」と表明。そのため、日銀会合については現状維持が予想されている。
日本銀行が28日公表する経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、「2025年度の物価上昇率見通しについて、前年度比1%台後半を軸に検討に入る」と報じられた。さらに「米欧の金融不安を受けた不確実性の増大により、YCC政策を修正するリスクへの警戒感が高まっている」とも報じられたこともあり、金融政策の修正期待が後退した。しかし、「フォワードガイダンスの変更が議論される」とも報じられており、植田総裁の会見では、金融政策正常化の時期などを見極めることになりそうだ。
なお、4月の全国消費者物価指数(CPI)の先行指標となる東京都のCPIにも注目しておきたい。
5月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の追加利上げはほぼ確実視されているものの、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している3月PCE総合価格指数には要注目。同月CPIやPPIが伸び率の鈍化傾向を続けていたことから、鈍化することが見込まれている。ただ、4月ミシガン大学消費者信頼感指数での1年先のインフレ期待やNY連銀景況指数での6カ月先の支払い価格見通しは、原油価格の上昇を受けて上昇しており、6月FOMCへの影響が注目されている。
またバーFRB副議長(銀行監督担当)は、5月1日までに今回の金融システム不安化の総括を公表することになっている。イエレン米財務長官は「信用収縮により追加利上げは不要」と述べており、米国の金融システムの状況には警戒しておきたい。
ユーロドルは、5月4日の欧州中央銀行(ECB)理事会での0.50%の追加利上げの可能性が高まる中、ユーロ圏1-3月域内総生産(GDP)速報値を見極めることになる。昨年10-12月期GDPは前期比横ばいまで低迷しており、マイナス成長の瀬戸際まで落ち込んでいる。
4月17日週の回顧
ドル円は、27-28日の日銀金融政策決定会合で現状の金融緩和策が継続されるとの観測記事を受けて133.63円から135.13円まで上昇したものの、米10年債利回りが3.63%台から3.52%台まで低下したことから133円半ばまで反落した。週末にかけては再び134円台まで切り返している。
なお、スワップ市場では、5月のFOMCでの0.25%追加利上げはほぼ確実視されているほか、6月FOMCでの利上げ確率も次第に高まりつつある。
ユーロドルは、1.1000ドルから1.0909ドルまで下落後、1.09ドル台後半まで戻した。ユーロ円は、146.67円から147.86円まで上昇した後、146円半ばまで反落。週末にかけて147円半ばまで買い戻された。(了)
◆米国金融システムの状況にも注意
◆ユーロドル、ユーロ圏第1四半期GDP速報値を見極め
予想レンジ
ドル円 132.00-137.00円
ユーロドル 1.0800-1.1100ドル
4月24日週の展望
ドル円は、27-28日に開催される日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁の記者会見に注目する展開となりそうだ。植田総裁は就任会見で、「大規模な金融緩和策を継続することが適当だ」と述べたほか、「マイナス金利やイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を変更する必要性がない」と表明。そのため、日銀会合については現状維持が予想されている。
日本銀行が28日公表する経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、「2025年度の物価上昇率見通しについて、前年度比1%台後半を軸に検討に入る」と報じられた。さらに「米欧の金融不安を受けた不確実性の増大により、YCC政策を修正するリスクへの警戒感が高まっている」とも報じられたこともあり、金融政策の修正期待が後退した。しかし、「フォワードガイダンスの変更が議論される」とも報じられており、植田総裁の会見では、金融政策正常化の時期などを見極めることになりそうだ。
なお、4月の全国消費者物価指数(CPI)の先行指標となる東京都のCPIにも注目しておきたい。
5月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の追加利上げはほぼ確実視されているものの、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している3月PCE総合価格指数には要注目。同月CPIやPPIが伸び率の鈍化傾向を続けていたことから、鈍化することが見込まれている。ただ、4月ミシガン大学消費者信頼感指数での1年先のインフレ期待やNY連銀景況指数での6カ月先の支払い価格見通しは、原油価格の上昇を受けて上昇しており、6月FOMCへの影響が注目されている。
またバーFRB副議長(銀行監督担当)は、5月1日までに今回の金融システム不安化の総括を公表することになっている。イエレン米財務長官は「信用収縮により追加利上げは不要」と述べており、米国の金融システムの状況には警戒しておきたい。
ユーロドルは、5月4日の欧州中央銀行(ECB)理事会での0.50%の追加利上げの可能性が高まる中、ユーロ圏1-3月域内総生産(GDP)速報値を見極めることになる。昨年10-12月期GDPは前期比横ばいまで低迷しており、マイナス成長の瀬戸際まで落ち込んでいる。
4月17日週の回顧
ドル円は、27-28日の日銀金融政策決定会合で現状の金融緩和策が継続されるとの観測記事を受けて133.63円から135.13円まで上昇したものの、米10年債利回りが3.63%台から3.52%台まで低下したことから133円半ばまで反落した。週末にかけては再び134円台まで切り返している。
なお、スワップ市場では、5月のFOMCでの0.25%追加利上げはほぼ確実視されているほか、6月FOMCでの利上げ確率も次第に高まりつつある。
ユーロドルは、1.1000ドルから1.0909ドルまで下落後、1.09ドル台後半まで戻した。ユーロ円は、146.67円から147.86円まで上昇した後、146円半ばまで反落。週末にかけて147円半ばまで買い戻された。(了)