週間為替展望(ドル/ユーロ)-日銀金融政策会合に警戒
◆ドル円、日銀決定会合を巡り乱高下の可能性
◆米小売売上高など米重要指標相次ぐ
◆ユーロドル、米利上げ後退と欧州利上げ継続観測から底堅い展開か
予想レンジ
ドル円 126.00-135.00円
ユーロドル 1.0600-1.1100ドル
1月16日週の展望
ドル円は、日銀の金融政策決定会合を巡る思惑が高まっているため、事前の報道を含めて来週は乱高下することを想定している。
読売新聞が12日に報じた「日銀、大規模緩和の副作用点検へ」との記事をきっかけに17-18日の会合に対する警戒感が再燃することとなり、円が全面高の展開となった。報道によると、昨年末に長期金利の変動幅を変更した後も市場金利にゆがみがあるため、必要な場合は追加の政策修正を行うとのことだ。あくまでも現時点では憶測であり、来週の会合で変動幅を拡大するなどの措置が取られるかどうかは懐疑的であり、市場がやや前のめりになっていることは否定できないだろう。とはいえ、昨年12月同様に日銀のサプライズ措置を警戒している面もあるため、いずれにしても会合までは円相場は不安定な動きとなりそうだ。
ドルに関しては、米インフレ鈍化から上値の重さが意識されるか。12日に発表された12月米消費者物価指数(CPI)は予想通り鈍化する結果となったことで、次回1月31日-2月1日の米連邦準備理事会(FOMC)での利上げ幅が0.25%に縮小されることがほぼ確実視されている。また、一部では「今年は2回の利上げにとどめ4.75-5.00%で利上げサイクルを終了」との見方が出てきており、利上げ期待後退からドルは積極的に買いづらくなっている点は考慮する必要があるだろう。
来週は日銀会合のほかにも、1月米NY連銀製造業景気指数をはじめ、12月米小売売上高など米重要指標に注目が集まる。6日の12月ISM非製造業景況指数が大幅に悪化したことでドルが急落した経緯があるだけに、米経済指標に対して敏感に反応しやすくなっている。結果次第では米長期金利とともに大きく動く可能性があるため要警戒だろう。
ユーロドルは、米インフレ鈍化が確認され、米利上げ期待が後退するなかで底堅い地合いとなりそうだ。また、今週は、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事をはじめ、ビルロワ仏中銀総裁、レーンフィンランド中銀総裁など、多くのECBメンバーから追加利上げの発言が続いた。利上げ継続期待が高まっていることもユーロ相場の下支え要因となるだろう。
1月9日週の回顧
ドル円は、週前半から半ばにかけては132円を挟んで方向感のない動きが続いた。ただ、12日の東京早朝に読売新聞の報道をきっかけに売りが優勢に。米CPIが予想通り前回から鈍化し、米長期金利が大幅に低下すると売りが加速。一時128.87円まで売り込まれた。13日の東京市場では、日本国債利回りが上限の0.5%を突破。128.66円まで更に安値を更新している。ユーロドルは、ECBメンバーからタカ派的な発言が相次いだことが支えとなったほか、米長期金利の大幅低下を受けて一時1.0867ドルと昨年4月以来の高値を付けた。(了)
◆米小売売上高など米重要指標相次ぐ
◆ユーロドル、米利上げ後退と欧州利上げ継続観測から底堅い展開か
予想レンジ
ドル円 126.00-135.00円
ユーロドル 1.0600-1.1100ドル
1月16日週の展望
ドル円は、日銀の金融政策決定会合を巡る思惑が高まっているため、事前の報道を含めて来週は乱高下することを想定している。
読売新聞が12日に報じた「日銀、大規模緩和の副作用点検へ」との記事をきっかけに17-18日の会合に対する警戒感が再燃することとなり、円が全面高の展開となった。報道によると、昨年末に長期金利の変動幅を変更した後も市場金利にゆがみがあるため、必要な場合は追加の政策修正を行うとのことだ。あくまでも現時点では憶測であり、来週の会合で変動幅を拡大するなどの措置が取られるかどうかは懐疑的であり、市場がやや前のめりになっていることは否定できないだろう。とはいえ、昨年12月同様に日銀のサプライズ措置を警戒している面もあるため、いずれにしても会合までは円相場は不安定な動きとなりそうだ。
ドルに関しては、米インフレ鈍化から上値の重さが意識されるか。12日に発表された12月米消費者物価指数(CPI)は予想通り鈍化する結果となったことで、次回1月31日-2月1日の米連邦準備理事会(FOMC)での利上げ幅が0.25%に縮小されることがほぼ確実視されている。また、一部では「今年は2回の利上げにとどめ4.75-5.00%で利上げサイクルを終了」との見方が出てきており、利上げ期待後退からドルは積極的に買いづらくなっている点は考慮する必要があるだろう。
来週は日銀会合のほかにも、1月米NY連銀製造業景気指数をはじめ、12月米小売売上高など米重要指標に注目が集まる。6日の12月ISM非製造業景況指数が大幅に悪化したことでドルが急落した経緯があるだけに、米経済指標に対して敏感に反応しやすくなっている。結果次第では米長期金利とともに大きく動く可能性があるため要警戒だろう。
ユーロドルは、米インフレ鈍化が確認され、米利上げ期待が後退するなかで底堅い地合いとなりそうだ。また、今週は、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事をはじめ、ビルロワ仏中銀総裁、レーンフィンランド中銀総裁など、多くのECBメンバーから追加利上げの発言が続いた。利上げ継続期待が高まっていることもユーロ相場の下支え要因となるだろう。
1月9日週の回顧
ドル円は、週前半から半ばにかけては132円を挟んで方向感のない動きが続いた。ただ、12日の東京早朝に読売新聞の報道をきっかけに売りが優勢に。米CPIが予想通り前回から鈍化し、米長期金利が大幅に低下すると売りが加速。一時128.87円まで売り込まれた。13日の東京市場では、日本国債利回りが上限の0.5%を突破。128.66円まで更に安値を更新している。ユーロドルは、ECBメンバーからタカ派的な発言が相次いだことが支えとなったほか、米長期金利の大幅低下を受けて一時1.0867ドルと昨年4月以来の高値を付けた。(了)