週間為替展望(ドル/ユーロ)-米欧中銀の金融政策に注目
◆ドル円、FOMCでのターミナルレートの予測中央値に注目
◆米11月消費者物価指数や日銀短観にも注意
◆ユーロドル、ECB理事会での利上げ幅を見極め
予想レンジ
ドル円 133.00-138.00円
ユーロドル 1.0300-1.0700ドル
12月12日週の展望
ドル円は、13日発表の米11月消費者物価指数(CPI)を見極め、13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ幅とドット・プロット(金利予測分布図)でのターミナルレート(利上げの最終到達点)を確認することになる。
11月CPIは、前年比+7.3%と予想されており、6月の9.1%をピークに、7月8.5%、8月8.3%、9月8.2%、10月7.7%に続く伸び率の鈍化が見込まれている。FRBがインフレ指標として注視しているPCE総合価格指数も、6月の前年比6.8%をピークに、10月の6.0%まで伸び率が鈍化しており、翌14日に公表のFOMCでは、CPIの伸び率鈍化やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が引き締め過ぎるリスクへの警戒感を示したことから、0.50%の利上げが織り込まれている。注目ポイントは、ドット・プロットで示されるターミナルレート。パウエルFRB議長は講演で「ターミナルレートが9月会合で示された予測中央値を若干上回る公算が大きい」と述べており、5.00-5.50%程度への引き上げが見込まれている。
また、12月調査の日銀短観では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が9月調査の+8から+7へ悪化することが予想されている。DIが予想通りに4期連続で悪化した場合、2四半期連続のマイナス成長、つまり、リセッションに陥る可能性が高まる。日銀の金融緩和政策長期化への観測が高まることになり、円安要因だろう。
ユーロドルは、15日の欧州中央銀行(ECB)理事会で、政策金利を3会合連続で0.75%引き上げるのか、0.50%の利上げペースに落とすかに注目することになる。11月のユーロ圏のインフレ率は前年比10.0%となり、10月の10.6%から伸び率が鈍化した。0.50%の利上げとなれば、下限の中銀預金金利が中立金利の想定レンジ上限の2.00%に到達。0.75%の利上げとなれば上限を上回ることになる。いずれにしても、ECBは政策金利面での金融緩和政策の解除をほぼ完了することになるだろう。
ラガルドECB総裁は、「インフレ率が過去約1年半で初めて鈍化したものの、既にピークに達したとすれば驚きだ」と述べており、インフレ抑制が確認できるまで、利上げを継続する姿勢を示している。理事会では、量的金融引締政策に関する協議にも注目したい。経済指標では、ユーロ圏12月の製造業・サービス業PMI速報値に注意。
12月5日週の回顧
ドル円は、予想を上回る米11月ISM非製造業景況指数などを受けて、134.13円から137.86円まで上昇したものの、米10年債利回りが3.4%台まで低下したことで136円台に反落した。ユーロドルは、強い米指標などを受けて1.0595ドルから1.0443ドルまで下落したものの、ユーロ圏7-9月GDP改定値が上方修正され、10月の消費者インフレ期待が上昇していたことなどで、1.05ドル台まで反発した。ユーロ円は141.38円から144.58円まで上昇した。(了)
◆米11月消費者物価指数や日銀短観にも注意
◆ユーロドル、ECB理事会での利上げ幅を見極め
予想レンジ
ドル円 133.00-138.00円
ユーロドル 1.0300-1.0700ドル
12月12日週の展望
ドル円は、13日発表の米11月消費者物価指数(CPI)を見極め、13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ幅とドット・プロット(金利予測分布図)でのターミナルレート(利上げの最終到達点)を確認することになる。
11月CPIは、前年比+7.3%と予想されており、6月の9.1%をピークに、7月8.5%、8月8.3%、9月8.2%、10月7.7%に続く伸び率の鈍化が見込まれている。FRBがインフレ指標として注視しているPCE総合価格指数も、6月の前年比6.8%をピークに、10月の6.0%まで伸び率が鈍化しており、翌14日に公表のFOMCでは、CPIの伸び率鈍化やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が引き締め過ぎるリスクへの警戒感を示したことから、0.50%の利上げが織り込まれている。注目ポイントは、ドット・プロットで示されるターミナルレート。パウエルFRB議長は講演で「ターミナルレートが9月会合で示された予測中央値を若干上回る公算が大きい」と述べており、5.00-5.50%程度への引き上げが見込まれている。
また、12月調査の日銀短観では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が9月調査の+8から+7へ悪化することが予想されている。DIが予想通りに4期連続で悪化した場合、2四半期連続のマイナス成長、つまり、リセッションに陥る可能性が高まる。日銀の金融緩和政策長期化への観測が高まることになり、円安要因だろう。
ユーロドルは、15日の欧州中央銀行(ECB)理事会で、政策金利を3会合連続で0.75%引き上げるのか、0.50%の利上げペースに落とすかに注目することになる。11月のユーロ圏のインフレ率は前年比10.0%となり、10月の10.6%から伸び率が鈍化した。0.50%の利上げとなれば、下限の中銀預金金利が中立金利の想定レンジ上限の2.00%に到達。0.75%の利上げとなれば上限を上回ることになる。いずれにしても、ECBは政策金利面での金融緩和政策の解除をほぼ完了することになるだろう。
ラガルドECB総裁は、「インフレ率が過去約1年半で初めて鈍化したものの、既にピークに達したとすれば驚きだ」と述べており、インフレ抑制が確認できるまで、利上げを継続する姿勢を示している。理事会では、量的金融引締政策に関する協議にも注目したい。経済指標では、ユーロ圏12月の製造業・サービス業PMI速報値に注意。
12月5日週の回顧
ドル円は、予想を上回る米11月ISM非製造業景況指数などを受けて、134.13円から137.86円まで上昇したものの、米10年債利回りが3.4%台まで低下したことで136円台に反落した。ユーロドルは、強い米指標などを受けて1.0595ドルから1.0443ドルまで下落したものの、ユーロ圏7-9月GDP改定値が上方修正され、10月の消費者インフレ期待が上昇していたことなどで、1.05ドル台まで反発した。ユーロ円は141.38円から144.58円まで上昇した。(了)