週間為替展望(ドル/ユーロ)-米11月PPIや12月インフレ期待に要注目
◆ドル円、PPIや消費者信頼感指数でのインフレ期待に注目
◆米長期金利の動きに注意
◆ユーロドル、欧米金利差縮小観測で底堅い動きも上値は限定か
予想レンジ
ドル円 132.00-137.00円
ユーロドル 1.0300-1.0700ドル
12月5日週の展望
ドル円は、13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ幅を見極める意味で、11月の生産者物価指数(PPI)や12月のミシガン大学消費者信頼感指数でのインフレ期待に注目している。
13-14日のFOMCでは、10月の消費者物価指数(CPI)の伸び率鈍化やパウエルFRB議長が引き締め過ぎるリスクへの警戒感を示したことから、利上げ幅は0.50%の確率が高まっている。11月のPPIが9月の前年比8.4%、10月の8.0%に続いて鈍化傾向にあるのか否か、また、12月のミシガン大学消費者信頼感指数でのインフレ期待が11月の4.9%から変化がみられるのか否かを見極めることになる。最終的には、14日に発表される11月のCPIが重要な判断材料となるため、ネガティブサプライズとならない限り、市場への影響は限定的だと思われる。
11月米ISM製造業景気指数は49.0となり、景気の拡大・後退の分岐点である50を割り込み、パウエルFRB議長が懸念を表明した引き締め過ぎるリスクが裏付けられた。11月米ISM非製造業景況指数のネガティブサプライズにも警戒しておきたい。また、中国でのゼロコロナ政策に対する大規模な抗議デモが、リスク回避の円買い要因となっており、引き続き注目していきたい。
ドルは、IMM通貨先物の非商業(投機)部門取組でのドル売り持ちポジションの増加に示唆されるように、調整局面を形成しつつある。米10年債利回りも、10月21日の4.335%、11月8日の4.241%でダブルトップ、変則的なヘッドアンドショルダーを形成しつつあり、攻防の分岐点であるネック・ライン3.558%を下抜けつつあることで、米金利低下を受けたドル売りに拍車がかかる可能性にも警戒しておきたい。
ユーロドルは、14日のFOMCや15日の欧州中央銀行(ECB)理事会に向けて、欧米金利差縮小への思惑から底堅い展開が予想される。ただ、米国のインフレ鈍化と欧州のインフレ高進が、ユーロ買い・ドル売り要因となっているが、欧州の物価上昇と景気減速が併存するスタグフレーションへの懸念も強い。更には、ウクライナ情勢や欧州の冬季に向けたエネルギー危機への警戒感などから、上値は限定的となりそうだ。ユーロ圏10月の小売売上高や独10月の鉱工業生産での景況感にも注目している。
11月28日週の回顧
ドル円は、パウエルFRB議長が引き締め過ぎるリスクへの警戒感を示し、米10年債利回りが3.49%台まで低下したことで、139.89円から133.63円まで下落した。10月のPCE総合価格指数は前年比6.0%となり、伸び率の鈍化傾向が確認された。しかし、米11月非農業部門雇用者数が前月比+26.3万人だったことで、135円台後半まで反発した。スワップ市場では、ターミナルレートが2023年半ばに4.94%前後になる見通しが織り込まれた。ユーロドルは、ラガルドECB総裁が、インフレ率の高止まりにより追加利上げ実施の可能性を示唆したことで、1.0291ドルから1.0545ドル台まで上昇した。ユーロ円は145.01円から140.77円まで下落した。(了)
◆米長期金利の動きに注意
◆ユーロドル、欧米金利差縮小観測で底堅い動きも上値は限定か
予想レンジ
ドル円 132.00-137.00円
ユーロドル 1.0300-1.0700ドル
12月5日週の展望
ドル円は、13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ幅を見極める意味で、11月の生産者物価指数(PPI)や12月のミシガン大学消費者信頼感指数でのインフレ期待に注目している。
13-14日のFOMCでは、10月の消費者物価指数(CPI)の伸び率鈍化やパウエルFRB議長が引き締め過ぎるリスクへの警戒感を示したことから、利上げ幅は0.50%の確率が高まっている。11月のPPIが9月の前年比8.4%、10月の8.0%に続いて鈍化傾向にあるのか否か、また、12月のミシガン大学消費者信頼感指数でのインフレ期待が11月の4.9%から変化がみられるのか否かを見極めることになる。最終的には、14日に発表される11月のCPIが重要な判断材料となるため、ネガティブサプライズとならない限り、市場への影響は限定的だと思われる。
11月米ISM製造業景気指数は49.0となり、景気の拡大・後退の分岐点である50を割り込み、パウエルFRB議長が懸念を表明した引き締め過ぎるリスクが裏付けられた。11月米ISM非製造業景況指数のネガティブサプライズにも警戒しておきたい。また、中国でのゼロコロナ政策に対する大規模な抗議デモが、リスク回避の円買い要因となっており、引き続き注目していきたい。
ドルは、IMM通貨先物の非商業(投機)部門取組でのドル売り持ちポジションの増加に示唆されるように、調整局面を形成しつつある。米10年債利回りも、10月21日の4.335%、11月8日の4.241%でダブルトップ、変則的なヘッドアンドショルダーを形成しつつあり、攻防の分岐点であるネック・ライン3.558%を下抜けつつあることで、米金利低下を受けたドル売りに拍車がかかる可能性にも警戒しておきたい。
ユーロドルは、14日のFOMCや15日の欧州中央銀行(ECB)理事会に向けて、欧米金利差縮小への思惑から底堅い展開が予想される。ただ、米国のインフレ鈍化と欧州のインフレ高進が、ユーロ買い・ドル売り要因となっているが、欧州の物価上昇と景気減速が併存するスタグフレーションへの懸念も強い。更には、ウクライナ情勢や欧州の冬季に向けたエネルギー危機への警戒感などから、上値は限定的となりそうだ。ユーロ圏10月の小売売上高や独10月の鉱工業生産での景況感にも注目している。
11月28日週の回顧
ドル円は、パウエルFRB議長が引き締め過ぎるリスクへの警戒感を示し、米10年債利回りが3.49%台まで低下したことで、139.89円から133.63円まで下落した。10月のPCE総合価格指数は前年比6.0%となり、伸び率の鈍化傾向が確認された。しかし、米11月非農業部門雇用者数が前月比+26.3万人だったことで、135円台後半まで反発した。スワップ市場では、ターミナルレートが2023年半ばに4.94%前後になる見通しが織り込まれた。ユーロドルは、ラガルドECB総裁が、インフレ率の高止まりにより追加利上げ実施の可能性を示唆したことで、1.0291ドルから1.0545ドル台まで上昇した。ユーロ円は145.01円から140.77円まで下落した。(了)