週間為替展望(ドル/ユーロ)-米インフレ指標に注目
◆ドル円、行き過ぎた円高の反動続きそう
◆米CPIに注目、インフレ鈍化を意識
◆ユーロドル、米インフレ指標に大きく左右される可能性
予想レンジ
ドル円 131.50-136.00円
ユーロドル 1.0300-1.0700ドル
1月9日週の展望
ドル円は、引き続き日銀の金融政策変更に関する思惑がくすぶってはいるものの、底堅い展開となることが想定される。昨年末から年初にかけて円高が進んだ要因は主に2つ。一つ目は日銀が金融政策を引き締め方向にシフトするとの警戒感が高まったこと。年末には一部報道で「日銀が物価見通しの上方修正を検討」と伝わったことも思惑を高める要因となった。そして二つ目が2019年1月3日に起きたドル円の急落(フラッシュクラッシュ)が再び起こるのではとの警戒感。チャートの形としては下値の目処を次々とブレイクするなかで、年始で市場の流動性の低い状況下、仕掛け的な円買い・ドル売りが持ち込まれる可能性があるとの憶測を呼び、その前にドル円の買い持ちポジションを解消する動きが出たことが挙げられる。年始2日は、特に元日の振替休日で英国、米国勢が不在となることもあり、短期筋中心に売り仕掛けやすい状況だったといえる。
ただ、日銀の政策変更についてはあくまでも憶測であり、昨年12月会合での長期金利の変動幅変更については事実上の利上げであると市場は認識しているものの、日銀としては、「金融緩和を継続するための調整」と表明している。そうなると、年末で市場参加者が休暇に入るなかでの薄商いということも重なって、今回の決定に関する円高の動きはやや行き過ぎがあることは否めない。年始に関しても、フラッシュクラッシュと呼ばれるような激しい動きとはならず、市場が警戒しすぎていたことは確かだろう。その反動がここ数日、ドル円が大きく買い戻されている要因となっている。来週は本邦勢も本格的に市場に戻り、行き過ぎた円高の調整が継続することが想定されるため、上下しながらも底堅い動きが続くのではないだろうか。
来週の注目としては、12日の12月米消費者物価指数(CPI)となるだろう。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーではタカ派であるブラード米セントルイス連銀総裁が5日に「2023年はディスインフレになる可能性がある」との見解を示すなどインフレ鈍化を認める発言をしたことで、CPIの結果次第では利上げ観測に大きく影響を与えることになりそうだ。
ユーロドルは、米CPIの結果による米長期金利の変動に大きく左右されることになるだろう。欧州各国のインフレについては、主要国はピークアウトを迎えているものの、リトアニアなどは依然として高い水準を維持していることからも「欧州中央銀行(ECB)の金融政策は非常に困難なものになるだろう」との声が多い。
1月2日週の回顧
ドル円は、年始から上値の重い動きとなり、3日には一時129.52円と昨年6月2日以来約7カ月ぶりの安値を付けた。ただ、一巡後は良好な米経済指標が相次いだこともありショートカバーが優勢に。一時134.05円まで買い上げられた。ユーロドルは、連休明けのロンドン勢が売りで参入。その後は上下しながらも戻りは鈍く、強い米指標を受けて5日には1.0515ドルまで下落した。(了)
◆米CPIに注目、インフレ鈍化を意識
◆ユーロドル、米インフレ指標に大きく左右される可能性
予想レンジ
ドル円 131.50-136.00円
ユーロドル 1.0300-1.0700ドル
1月9日週の展望
ドル円は、引き続き日銀の金融政策変更に関する思惑がくすぶってはいるものの、底堅い展開となることが想定される。昨年末から年初にかけて円高が進んだ要因は主に2つ。一つ目は日銀が金融政策を引き締め方向にシフトするとの警戒感が高まったこと。年末には一部報道で「日銀が物価見通しの上方修正を検討」と伝わったことも思惑を高める要因となった。そして二つ目が2019年1月3日に起きたドル円の急落(フラッシュクラッシュ)が再び起こるのではとの警戒感。チャートの形としては下値の目処を次々とブレイクするなかで、年始で市場の流動性の低い状況下、仕掛け的な円買い・ドル売りが持ち込まれる可能性があるとの憶測を呼び、その前にドル円の買い持ちポジションを解消する動きが出たことが挙げられる。年始2日は、特に元日の振替休日で英国、米国勢が不在となることもあり、短期筋中心に売り仕掛けやすい状況だったといえる。
ただ、日銀の政策変更についてはあくまでも憶測であり、昨年12月会合での長期金利の変動幅変更については事実上の利上げであると市場は認識しているものの、日銀としては、「金融緩和を継続するための調整」と表明している。そうなると、年末で市場参加者が休暇に入るなかでの薄商いということも重なって、今回の決定に関する円高の動きはやや行き過ぎがあることは否めない。年始に関しても、フラッシュクラッシュと呼ばれるような激しい動きとはならず、市場が警戒しすぎていたことは確かだろう。その反動がここ数日、ドル円が大きく買い戻されている要因となっている。来週は本邦勢も本格的に市場に戻り、行き過ぎた円高の調整が継続することが想定されるため、上下しながらも底堅い動きが続くのではないだろうか。
来週の注目としては、12日の12月米消費者物価指数(CPI)となるだろう。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーではタカ派であるブラード米セントルイス連銀総裁が5日に「2023年はディスインフレになる可能性がある」との見解を示すなどインフレ鈍化を認める発言をしたことで、CPIの結果次第では利上げ観測に大きく影響を与えることになりそうだ。
ユーロドルは、米CPIの結果による米長期金利の変動に大きく左右されることになるだろう。欧州各国のインフレについては、主要国はピークアウトを迎えているものの、リトアニアなどは依然として高い水準を維持していることからも「欧州中央銀行(ECB)の金融政策は非常に困難なものになるだろう」との声が多い。
1月2日週の回顧
ドル円は、年始から上値の重い動きとなり、3日には一時129.52円と昨年6月2日以来約7カ月ぶりの安値を付けた。ただ、一巡後は良好な米経済指標が相次いだこともありショートカバーが優勢に。一時134.05円まで買い上げられた。ユーロドルは、連休明けのロンドン勢が売りで参入。その後は上下しながらも戻りは鈍く、強い米指標を受けて5日には1.0515ドルまで下落した。(了)