週間為替展望(ドル/ユーロ)-日米インフレ率と日銀総裁所信に注目
◆ドル円、1月の米国と日本のインフレ率と日銀総裁候補の所信聴取に注目
◆2月のFOMC議事要旨や米国10-12月期GDP確定値にも警戒
◆ユーロドル、2月ユーロ圏PMI速報値や独Ifo景況感指数などに注意
予想レンジ
ドル円 132.00-136.00円
ユーロドル 1.0500-1.0900ドル
2月20日週の展望
ドル円は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している1月の個人消費支出(PCE)価格指数や日本の消費者物価指数(CPI)で日米のインフレ動向を確認することになる。米国1月のCPIは、前年比で予想を上回る6.4%となり、鈍化傾向にあったインフレ率が下げ止まる可能性が高まりつつある。1月のPCE総合価格指数は、前月比0.4%と予想されており、昨年12月の0.1%からの上昇が見込まれている。予想通りならば、インフレ率への警戒感が高まるため、FF金利のターミナルレート(利上げの最終到達点)が5.00-5.50%程度に上昇する可能性が高まりそうだ。そのため、2月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、年末のターミナルレート(利上げの最終到達点)に関する議論などに注目している。また、米国の10-12月期国内総生産(GDP)の確定値の上方修正の可能性にも警戒が必要だろう。
日本国内では、24日の8時30分に発表される日本の1月コアCPIは、前年比4.2%と予想されており、昨年12月の4.0%からの上昇が見込まれている。予想通りならば、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」での2022年度物価見通しである2.9%からの乖離がさらに拡大することになる。
また、24日の9時30分からは、衆議院で次期日銀総裁候補の植田元日銀審議委員に対する所信聴取と質疑が行われる。植田氏の日本のコア消費者物価指数に対する見解、マイナス金利やイールドカーブコントロール(YCC)などの金融緩和策に対する見解に注目したい。
ユーロドルは、欧米の金融政策の乖離やウクライナ情勢への警戒感から、上値が重い展開が予想される。ユーロ圏1月のインフレ率が12月の前年比9.2%から8.5%へ低下したため、5月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げ休止への思惑が高まりつつある。ラガルドECB総裁は、欧州議会での証言で、「ユーロ圏のインフレ圧力は依然として強く、ECBは基調的な物価上昇を抑制するため利上げを継続する」と述べたものの、「経済活動は当面弱いままだろう」と景況感への懸念を表明している。ユーロ圏2月の製造業・サービス業PMI速報値や独2月のZEW景況指数やIfo景況感指数のネガティブサプライズになった場合の反応に注意が必要だろう。
2月13日週の回顧
ドル円は、次期日銀総裁候補の植田元日銀審議委員が「当面は金融緩和を続ける必要がある」と述べたことで、BOJピボット(日銀の利上げ転換)への警戒感が後退したほか、予想を上回った米1月CPI、卸売物価指数(PPI)、小売売上高を受けて、FEDピボット(FRBの利下げ転換)への期待感が後退。週初の131.14円から134.81円まで上昇した。米10年債利回りは3.89%台まで上昇している。
ユーロドルは、14日に1.0803ドルまで上昇する場面もあったが、その後は1.0633ドルまで下落した。ユーロ円はドル円の上昇に連れて、140.14円から143.48円まで上昇した。(了)
◆2月のFOMC議事要旨や米国10-12月期GDP確定値にも警戒
◆ユーロドル、2月ユーロ圏PMI速報値や独Ifo景況感指数などに注意
予想レンジ
ドル円 132.00-136.00円
ユーロドル 1.0500-1.0900ドル
2月20日週の展望
ドル円は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している1月の個人消費支出(PCE)価格指数や日本の消費者物価指数(CPI)で日米のインフレ動向を確認することになる。米国1月のCPIは、前年比で予想を上回る6.4%となり、鈍化傾向にあったインフレ率が下げ止まる可能性が高まりつつある。1月のPCE総合価格指数は、前月比0.4%と予想されており、昨年12月の0.1%からの上昇が見込まれている。予想通りならば、インフレ率への警戒感が高まるため、FF金利のターミナルレート(利上げの最終到達点)が5.00-5.50%程度に上昇する可能性が高まりそうだ。そのため、2月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、年末のターミナルレート(利上げの最終到達点)に関する議論などに注目している。また、米国の10-12月期国内総生産(GDP)の確定値の上方修正の可能性にも警戒が必要だろう。
日本国内では、24日の8時30分に発表される日本の1月コアCPIは、前年比4.2%と予想されており、昨年12月の4.0%からの上昇が見込まれている。予想通りならば、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」での2022年度物価見通しである2.9%からの乖離がさらに拡大することになる。
また、24日の9時30分からは、衆議院で次期日銀総裁候補の植田元日銀審議委員に対する所信聴取と質疑が行われる。植田氏の日本のコア消費者物価指数に対する見解、マイナス金利やイールドカーブコントロール(YCC)などの金融緩和策に対する見解に注目したい。
ユーロドルは、欧米の金融政策の乖離やウクライナ情勢への警戒感から、上値が重い展開が予想される。ユーロ圏1月のインフレ率が12月の前年比9.2%から8.5%へ低下したため、5月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げ休止への思惑が高まりつつある。ラガルドECB総裁は、欧州議会での証言で、「ユーロ圏のインフレ圧力は依然として強く、ECBは基調的な物価上昇を抑制するため利上げを継続する」と述べたものの、「経済活動は当面弱いままだろう」と景況感への懸念を表明している。ユーロ圏2月の製造業・サービス業PMI速報値や独2月のZEW景況指数やIfo景況感指数のネガティブサプライズになった場合の反応に注意が必要だろう。
2月13日週の回顧
ドル円は、次期日銀総裁候補の植田元日銀審議委員が「当面は金融緩和を続ける必要がある」と述べたことで、BOJピボット(日銀の利上げ転換)への警戒感が後退したほか、予想を上回った米1月CPI、卸売物価指数(PPI)、小売売上高を受けて、FEDピボット(FRBの利下げ転換)への期待感が後退。週初の131.14円から134.81円まで上昇した。米10年債利回りは3.89%台まで上昇している。
ユーロドルは、14日に1.0803ドルまで上昇する場面もあったが、その後は1.0633ドルまで下落した。ユーロ円はドル円の上昇に連れて、140.14円から143.48円まで上昇した。(了)