NY株見通し-今週は4月消費者物価指数(CPI)などの物価指標に注目

 今週のNY市場は4月消費者物価指数(CPI)などの物価指標に注目。

 先週はファースト・リパブリック・バンク(FRC)が前週末に経営破綻したことで、そのほかの地銀株の経営不安が強まった。また、0.25%の利上げが決定された米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が年内の利下げ転換の可能性を否定したことなどが嫌気され、主要3指数がそろって週明けから4日続落した。

 しかし、週末5日はJPモルガンの投資判断引き上げを受けて地銀株が急反発したことや、市場予想を上回る決算を発表したアップルが大幅高となったことでセンチメントが大きく改善。注目された米4月雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が25.3万人増と市場予想の18.0万件を大幅に上回ったものの、2月と3月のNFPが下方修正されたことで過度な利上げ懸念は強まらなかった。

 ダウ平均は4日に前週末比970ドル安(-2.85%)まで下落したが、423ドル安(-1.24%)と下落幅を縮小して終了し、S&P500も2.60%安まで下落後0.80%安で終了。ハイテク株主体のナスダック総合は2.13%安まで下落後、0.07%高とわずかながらプラス圏で終了した。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の15.78ポイントから一時21.33ポイントまで上昇したが、17.19ポイントで終了した。

 今週は主要企業の第1四半期決算発表が引き続き注目されるほか、金融政策の見通しを巡り4月CPIなどの経済指標に注目する展開か。
 
 決算発表はタイソン・フーズ、ウエスタン・デジタル、デボン・エナジー、スカイワークス・ソリューションズ、ペイパル、エア・プロダクツ&ケミカルズ、ウィン・リゾーツ、ウォルト・ディズニー、タペストリーなどS&P500採用の約30銘柄が発表予定。米経済指標は9日に4月NFIB中小企業楽観度指数、10日に4月CPI、11日に新規失業保険申請件数、4月生産者物価指数(PPI)、12日に5月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先期待インフレ率速報値などが発表される。4月CPIは前年比+5.0%と前月から横ばいが予想され、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前年比+5.5%と前月の+5.6%から減速が見込まれている。

 今晩の経済指標は4月雇用傾向指数、3月卸売在庫など。企業決算は寄り前にタイソン・フーズ、引け後にウエスタン・デジタル、デボン・エナジー、ダヴィータ、スカイワークス・ソリューションズ、ペイパルなどが発表予定。
(執筆:5月8日、14:00)

(小針)
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