NYマーケットダイジェスト・19日 株反落・金利上昇・ドル失速

(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=137.98円(前営業日比▲0.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=148.99円(▲0.40円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0805ドル(△0.0035ドル)
ダウ工業株30種平均:33426.63ドル(▲109.28ドル)
ナスダック総合株価指数:12657.90(▲30.94)
10年物米国債利回り:3.67%(△0.02%)
WTI原油先物6月限:1バレル=71.55ドル(▲0.31ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=1981.6ドル(△21.8ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は7日ぶりに反落。米長期金利の指標である米10年債利回りが一時3.7186%前後と約2カ月ぶりの高水準を付けると円売り・ドル買いが先行。22時30分前に一時138.65円付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値138.73円や前日に付けた年初来高値138.75円がレジスタンスとして働くと失速した。米債務上限問題を巡る米政府と野党共和党の交渉について「共和党の交渉担当者が突然退席し、交渉が行き詰まっている」との報道が伝わると、米国株相場の失速とともにリスク回避の円買い・ドル売りが活発化。イエレン米財務長官が銀行幹部らに「一連の銀行破綻を受け一段の銀行合併が必要になる可能性がある」と警告したことも投資家心理の悪化につながり、0時30分過ぎに一時137.43円と日通し安値を更新した。
 もっとも、前日の安値137.29円や200日移動平均線が位置する137.10円がサポートとして働くと買い戻しが進んだ。米10年債利回りが再び上昇に転じたことも相場の支援材料となり、138.14円付近まで下げ渋った。

・ユーロドルは4日ぶりに反発。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が「政策金利は依然として持続的に高水準である必要」と述べたほか、シュナーベルECB専務理事が「金利についてまだやるべきことがある」「金利を十分に景気抑制的な水準にする」と発言すると、ECBの利上げ継続観測が改めて意識されてユーロ買い・ドル売りが入った。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「信用不安を考慮すると、政策金利は想定されていたほど上昇する必要がないかもしれない」と発言したこともドル売りを促し、一時1.0829ドルと日通し高値を更新した。ただ、米長期金利の上昇基調が継続したことから、引けにかけては伸び悩んだ。

・ユーロ円は6日ぶりに反落。ECBの利上げ継続観測が改めて意識されると一時149.80円と日通し高値を付けたものの、米債務上限交渉が中断したと伝わると米国株の失速とともにリスク回避の円買いが優勢に。0時30分過ぎに148.72円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後はドル円の下げ渋りにつれた買いが入り、149.26円付近まで下値を切り上げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。アジアや欧州の株式相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行したものの、米債務上限問題を巡る米政府と野党共和党の交渉が一時中断したことが伝わると一転売りが優勢となった。なお、双方の見解の隔たりは大きく、週末に協議を再開するかどうかは不明だという。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落。前日に年初来高値を更新していただけに利益確定目的の売りが出た。

・米国債券相場で長期ゾーンは6日続落。前日に米金融引き締めの長期化観測が強まったほか、米債務上限問題を巡り与野党が合意できるとの楽観的な見方が広がり、債券売りが先行した。利回りは一時3.7186%前後と約2カ月ぶりの高水準を付けた。
 ただ、債務上限を巡る与野党協議が「中断した」と伝わると債券を買い戻す動きが広がり下値が堅くなった。

・原油先物相場は続落。米債務上限問題を巡る不透明感から株価下落とともに売りが強まった。

・金先物相場は4日ぶりに反発。米債務上限を巡る交渉が難航しているとの見方からリスクオフムードが高まると、安全資産とされる金に買いが集まった。

(中村)
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