欧州マーケットダイジェスト・17日 株安・金利上昇・ドル失速

(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.66円(17日15時時点比▲0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=169.26円(△0.05円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0873ドル(△0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:8420.26(前営業日比▲18.39)
ドイツ株式指数(DAX):18704.42(▲34.39)
10年物英国債利回り:4.127%(△0.048%)
10年物独国債利回り:2.515%(△0.055%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
1-3月期スイス鉱工業生産指数
前年同期比              ▲3.1%     ▲0.5%・改
4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比                2.4%       2.4%
4月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比                2.7%       2.7%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は上値が重かった。前日に米連邦準備理事会(FRB)高官らが早期利下げに慎重な見方を示したことから、米長期金利が上昇。欧州市場に入っても円売り・ドル買いが先行した。17時30分過ぎには一時155.98円と日通し高値を更新した。
 ただ、節目の156.00円や15日の高値156.56円、14日の高値156.74円などが戻りの目処として意識されると徐々に上値が重くなった。今週発表された4月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて米インフレが再加速するとの懸念が薄れていることも相場の重し。4月米景気先行指標総合指数が前月比0.6%低下と予想の0.3%低下を下回ると全般ドル売りが加速し、一時155.25円と日通し安値を更新した。
 もっとも、前日のNY時間高値からの下押しレベルでもあり、一目均衡表転換線が位置する155.17円がサポートとして働くと下げ渋った。ボウマンFRB理事が「インフレはしばらく高止まりするだろう」「今年はインフレに関してさらなる進展はまだ見られない」「金利変更には引き続き慎重、インフレ進展次第では利上げも辞さない」と発言したことも相場を下支えした。

・ユーロドルは持ち直した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0836ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。予想を下回る米経済指標を受けて全般ドル売りが活発化すると、一時1.0878ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.39まで低下した。

・ユーロ円は一進一退。日本時間夕刻に一時169.28円付近まで値を上げたものの、22時前には168.83円付近まで失速。ただ、そのあとはじりじりと下値を切り上げて169.28円付近まで持ち直した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。

・ロンドン株式相場は続落。英長期金利の上昇が投資家心理の重しとなり、売りが優勢となった。週末を控える中、ポジション調整目的の売りも出た。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、アシュテッド・グループなど資本財サービス株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は小幅ながら続落。独長期金利の上昇が投資家心理の重しとなったほか、週末を控えたポジション調整目的の売りが出た。個別ではエーオン(5.22%安)やザランド(3.72%安)、ザルトリウス(3.28%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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