欧州マーケットダイジェスト・10日 株最高値・金利上昇・ユーロもみ合い

(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.84円(10日15時時点比△0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=167.90円(△0.21円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0774ドル(▲0.0002ドル)
FTSE100種総合株価指数:8433.76(前営業日比△52.41)
ドイツ株式指数(DAX):18772.85(△86.25)
10年物英国債利回り:4.166%(△0.024%)
10年物独国債利回り:2.517%(△0.022%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月英国内総生産(GDP、前月比)    0.4%     0.2%・改
1-3月期英GDP速報値
前期比                0.6%      ▲0.3%
前年同期比              0.2%      ▲0.2%
3月英鉱工業生産指数(前月比)    0.2%      1.0%・改
   製造業生産高(前月比)     0.3%       1.2%
3月英商品貿易収支     139.67億ポンドの赤字 141.33億ポンドの赤字・改
3月英貿易収支       10.98億ポンドの赤字  14.78億ポンドの赤字・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルはもみ合い。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると1.0766ドルまで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。23時前には一時1.0790ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、米ミシガン大学が公表した5月米消費者調査で、消費者態度指数(速報値)は予想を下回ったものの、同時に発表された消費者の期待インフレが予想を上回ったことが分かると再びドル買いが優勢に。24時前には1.0760ドルと日通し安値を更新した。もっとも、NY午後に入ると再び強含み、じりじりと下値を切り上げた。
 なお、4月11日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨では「ユーロ圏のインフレ率は来年に目標とする2%に低下する」との見通しが示され、「ECBが6月の理事会で利下げを開始する公算が大きい」ことが分かった。また、「4月に緩和を開始すべき」との主張もあったが、相場の反応は限られた。

・ドル円は強含み。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.50%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。米消費者のセンチメントは予想を下回ったものの、インフレ期待が予想を上回ったこともドル買いを促し、24時前に一時155.90円と日通し高値を付けた。
 なお、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事は「政策をもう少し長く現状維持する必要がある」「年内の利下げは正当化されないだろう」と述べたほか、ローガン米ダラス連銀総裁は「利下げについて考えるのは時期尚早」「インフレには重要な上振れリスクがある」との考えを示した。

・ユーロ円はドル円の上昇につれた買いが先行すると一時167.97円と日通し高値を付けたものの、そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場はもみ合いに転じた。

・ロンドン株式相場は6日続伸し、史上最高値を更新した。英中銀(BOE)が早期利下げに踏み切るとの観測が高まる中、運用リスクをとる動きが広がった。前日の米株式市場で主要3指数が上昇したことも投資家心理を支えた。アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は6日続伸し、史上最高値を更新した。ECBの利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる中、この日も買いが続いた。前日の米国株相場が上昇したことも相場の支援材料。個別ではシーメンス・エナジー(4.21%高)やザランド(3.32%高)、ミュンヘン再保険(3.12%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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