欧州マーケットダイジェスト・28日 独株最高値・金利上昇・ユーロ安

(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.38円(28日15時時点比△0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.38円(▲0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0796ドル(▲0.0028ドル)
FTSE100種総合株価指数:7952.62(前営業日比△20.64)
ドイツ株式指数(DAX):18492.49(△15.40)
10年物英国債利回り:3.933%(△0.001%)
10年物独国債利回り:2.298%(△0.006%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
2月独小売売上高
前月比                ▲1.9%    ▲0.3%・改
前年比                1.7%     ▲1.3%・改
10-12月期英国内総生産(GDP)改定値
前期比                ▲0.3%     ▲0.3%
前年同期比              ▲0.2%     ▲0.2%
10-12月期英経常収支     212億ポンドの赤字 185億ポンドの赤字・改
3月スイスKOF景気先行指数      101.5      102.0・改
3月独雇用統計
失業率                 5.9%      5.9%
失業者数変化            0.40万人    1.20万人・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。日本時間夕刻に一時151.50円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値151.54円手前で失速。0時30分過ぎには151.15円と日通し安値を付けた。米長期金利の動向などを眺めて151円台前半から半ばでの狭いレンジ取引に終始した。
 海外の主要市場が明日からイースター休暇入りするほか、本日は聖金曜日の祝日(グッドフライデー)の前日で米債券市場が短縮取引。流動性が薄く、大きな方向感は出なかった。明日29日に米連邦準備理事会(FRB)が重視する2月米個人消費支出 (PCE) 価格指数など、注目度の高いインフレ指数の発表を控えて様子見ムードも広がった。
 なお、この日発表の3月米シカゴ購買部協会景気指数は予想を下回った一方、10-12月期米国内総生産(GDP)確定値や3月米ミシガン大学消費者態度指数確報値は予想を上回るなど強弱入り混じる結果となった。

・ユーロドルは下げ渋り。日本時間早朝に伝わったウォラーFRB理事の発言をきっかけに、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まった半面、欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始時期が近づいているとの見方は一段と強まっており、ユーロ売り・ドル買いが出やすかった。19時前には一時1.0775ドルと2月20日以来の安値を付けた。なお、パネッタ伊中銀総裁は「緩和の条件は整いつつある」「物価安定に対するリスクは低下している」などと述べたと伝わった。
 ただ、NY市場に入ると下げ渋る展開に。明日からのイースター休暇を控えて、ポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが入ると1.0819ドル付近まで下げ幅を縮めた。

・ユーロ円は売り先行後、下げ渋った。19時過ぎに一時163.14円と19日以来の安値を付けたものの、23時過ぎには163.58円付近まで下げ渋った。ユーロドルと似た動きとなった。

・カナダドルは全面高。1月カナダGDPが前月比0.6%/前年比0.9%と予想の前月比0.4%/前年比0.8%を上回るとカナダドル買いが優勢に。対米ドルでは一時1.3525カナダドル、対ユーロでは1.4611カナダドル、対円では111.86円まで上昇した。WTI原油先物価格の上昇を背景に産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まった面もあった。

・ロンドン株式相場は続伸し、昨年2月以来1年1カ月ぶりの高値で取引を終えた。前日の米株式相場の上昇が投資家心理の支えとなり、買いが優勢となった。リオ・ティントやグレンコアなど素材株が買われ、相場を押し上げた。セグロやユナイト・グループなど不動産株も値上がりした。

・フランクフルト株式相場は8日続伸し、史上最高値を更新した。ECBの利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる中、この日も株買いが続いた。前日の米株式相場の上昇も投資家心理の支えとなり、買いを促した。個別ではシーメンス・エナジー(3.28%高)やメルク(2.12%高)、ラインメタル(1.84%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は小幅下落。イースター休暇前にポジション調整目的の売りが出た。

(中村)
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