予想とまとめ

【ポンド円、加ドル円】英中銀、据え置きも僅差の可能性
2024/07/27 03:42
◆日米の金融政策にまず注目
◆ポンド、英中銀MPCは据え置きも僅差の可能性 
◆加ドル、中銀の追加利下げ示唆受け上値の重い展開

予想レンジ
ポンド円 195.50.00-200.50円
加ドル円 109.50-113.50円

7月29日週の展望
 ポンドと加ドルともに、31日に公表される日米の金融政策にまず注目。特に今回は、日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁の定例会見がいつも以上に材料視されそうだ。というのも今週、「日銀の金融正常化」に対する観測の高まりを受け、溜まっていた円キャリートレードポジションの巻き戻しが一気に進んだからだ。与党・自民党幹部から日銀への圧力とも受けとれる発言や、「追加利上げ検討」との一部報道が思惑を高めた。

 ただ、日銀会合がタカ派一色になるとは考えづらく、追加利上げを決定した場合でも小幅に留まる可能性がある。正常化に向けてはまだ慎重という姿勢であると市場が認識した場合は、円売り再燃という展開となってもおかしくない。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)に関しては、次回9月に利下げするための地ならし的な会合となりそうだ。声明内容を変えてくることが予想され、タカ派的な文言が削除される可能性が高い。

 8月1日には英中銀が金融政策委員会(MPC)の結果を公表する。6月消費者物価指数(CPI)の結果から、市場では早期利下げ観測が一時大きく後退した。しかしその後、平均賃金の鈍化や労働市場の冷え込みが確認されると再び緩和期待が浮上。前回の議事要旨では、複数のMPC委員にとって利下げ見送りの決定は「微妙なバランス」と指摘されており、今回の投票結果は前回の7対2より僅差となる可能性もある。足もとの短期金融市場では据え置きがやや優勢となっている。

 加ドルは、カナダ金利先安観の高まりが重しとなりそうだ。カナダ中銀(BOC)は24日、政策金利を市場予想通り0.25%引き下げて4.50%とした。利下げは2会合連続。声明では、「重視するコア指数が数カ月間3%を下回っている」ことを指摘。その上で、「CPIを構成する複数品目の物価上昇度合いは過去の平均水準に近づいている」と述べた。「インフレが来年後半に目標の2%に向け持続的に低下する」という予測を強調。マックレムBOC総裁も「インフレを目標に回帰させる材料は整っているとの確信を強めている」と言及したほか、「インフレが予想通りに緩和すれば、追加利下げが可能」との見解を示している。
 
 市場では、BOCが今年残り3会合(9、10、12月)で2回の0.25%利下げを織り込みつつある。今後もカナダのインフレ指標を精査しながらの判断となるだろうが、経済成長見通しも下方修正したなかで金利は上がりづらいままとなる可能性が高い。加ドルの上値も限られそうだ。

7月22日週の回顧
 ポンド円は203円台から下落し始め、5月半ば以来の196円割れまで売り込まれた。日銀会合への警戒感から全般円高が進んだ流れに沿った。軟調な株式市場もリスク回避の円買いを誘っている。ポンドドルは1.29ドル台で伸び悩み、1.28ドル半ばまで弱含んだ。

 加ドル円は114円後半から約4カ月ぶりに一時110円を下回った。キャリートレード解消の動きが進んだことや、BOCのハト派スタンスが加ドル売り圧力を高めた。加ドルは対ドルでは、1.38加ドル半ばまで加ドル売りが進行した。

国内イベントスケジュール

2024/09/02 06:15
2日
08:504-6月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額)
3日
08:508月マネタリーベース
5日
08:307月毎月勤労統計(現金給与総額)
08:50対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
10:30高田創日銀審議委員、あいさつ
6日
08:307月家計調査(消費支出)
08:508月外貨準備高
14:007月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

海外イベントスケジュール

2024/09/02 06:30
2日
10:307月豪住宅建設許可件数
10:458月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
15:307月スイス小売売上高
16:008月トルコ製造業PMI
16:004-6月期トルコ国内総生産(GDP)
16:308月スイス製造業PMI
16:508月仏製造業PMI改定値
16:558月独製造業PMI改定値
17:008月ユーロ圏製造業PMI改定値
17:308月英製造業PMI改定値
24:008月メキシコ製造業PMI
米国、カナダ(レーバーデー)、休場
3日
08:018月英小売連合(BRC)小売売上高調査
10:304-6月期豪経常収支
15:308月スイス消費者物価指数(CPI)
16:004-6月期スイスGDP
16:008月トルコCPI
18:304-6月期南アフリカGDP
21:004-6月期ブラジルGDP
21:007月メキシコ失業率(季節調整前)
21:45ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
22:458月米製造業PMI改定値
23:008月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
23:007月米建設支出
4日
10:304-6月期豪GDP
10:458月Caixin中国サービス部門PMI
16:508月仏サービス部門PMI改定値
16:558月独サービス部門PMI改定値
17:008月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
17:308月英サービス部門PMI改定値
18:007月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
20:00ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
20:00MBA住宅ローン申請指数
21:307月カナダ貿易収支
21:307月米貿易収支
22:45カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表
23:007月米製造業新規受注
23:007月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
5日
03:00米地区連銀経済報告(ベージュブック)
10:307月豪貿易収支
11:00ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
14:458月スイス失業率(季節調整前)
15:007月独製造業新規受注
17:308月英建設業PMI
18:004-6月期南アフリカ経常収支
18:007月ユーロ圏小売売上高
20:308月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
21:158月ADP全米雇用報告
21:304-6月期カナダ労働生産性指数
21:304-6月期米非農業部門労働生産性・改定値
21:30前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
22:458月米サービス部門PMI改定値
22:458月米総合PMI改定値
23:008月米ISM非製造業指数
24:00EIA週間在庫統計
6日
03:008月ブラジル貿易収支
15:007月独鉱工業生産
15:007月独貿易収支
15:457月仏鉱工業生産
15:457月仏貿易収支
15:457月仏経常収支
16:008月スイスSECO消費者信頼感指数
18:004-6月期ユーロ圏GDP確定値
21:308月カナダ雇用統計
21:308月米雇用統計
21:45ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
23:008月カナダIvey購買部協会景気指数
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
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