株式明日の戦略-週間で2000円超の下落、来週も円高を警戒する地合いが続く

 6日の日経平均は大幅に4日続落。終値は265円安の36391円。今週は週を通して半導体株の弱さに振り回された。週間では、ディスコ<6146.T>が18.8%安、レーザーテック<6920.T>が17.0%安、東京エレクトロン<8035.T>が14.8%安、アドバンテスト<6857.T>が11.6%安と、主力の銘柄が軒並み2桁の下落率となっている。

 来週は、きょう年初来安値を更新した東京エレクトロン(6日終値は22000円)の動向が注目される。今年の上昇分を吐き出したことが売り出尽くしにつながるのか、それとも動きの悪さが嫌気されてさらに売り込まれるのか。後者の場合、半導体株の売りに拍車がかかる懸念がある。過去の値動きからはもう一段下げても20000円辺りで止まりそうではあるが、止まらなければ見切り売りが出やすくなる。PER(9/6時点)は21倍台と過熱感は削がれているだけに、現状近辺で売りが一巡する展開に期待したい。

【来週の見通し】
 軟調か。米国では水曜11日に8月消費者物価指数(CPI)、木曜12日に8月生産者物価指数(PPI)の発表が予定されている。これらが市場予想を下回る結果となれば、米国の長期金利が低下して為替は円高(ドル安)に振れる可能性が高い。一方、市場予想を上回るようだと、粘着質なインフレへの警戒から米国株が売られる可能性が高い。円安と米国株高、この両方を期待することは難しい局面。

 メジャーSQ週で需給要因にも振らされやすく、米大統領候補者のテレビ討論会やECB理事会など、米指標以外にも気を揉む材料がいくつかある。足元の日本株は円高進行時に強く売られることが多くなっているだけに、弱材料に敏感になって他市場に割り負ける状態が続くと予想する。

【今週を振り返る】
 軟調となった。半導体株が調整色を強める中、米国の長期金利が低下してドル円が円高に振れたことから、リスク回避姿勢の強い動きが続いた。日経平均は週前半には上を試しに行ったものの、39000円近辺では戻り売りに押された。水曜4日にはナスダックの大幅安や円高進行に神経質な反応を見せて1638円安と4桁の下落。この急落で米8月雇用統計の発表を前に警戒ムードが一段と高まり、5日と6日はともにプラス圏に浮上する場面がありながら3桁の下落となった。日経平均は週間で約2256円の下落となり、週足では4週ぶりに陰線を形成した。

【来週の予定】
 国内では、4-6月期GDP改定値、8月景気ウォッチャー調査(9/9)、5年国債入札(9/10)、7-9月期法人企業景気予測調査、8月企業物価指数、8月都心オフィス空室率、20年国債入札、自民党総裁選挙告示(9/12)、メジャーSQ(9/13)などがある。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、米アップルが製品発表イベント開催(9/9)、米大統領候補者テレビ討論会(予定)、米3年国債入札(9/10)、米8月消費者物価指数(CPI)、米10年国債入札(9/11)、ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)、米8月生産者物価指数(PPI)、米8月財政収支、米30年国債入札(9/12)、米9月ミシガン大学消費者態度指数(9/13)などがある。
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