株式明日の戦略-約1カ月ぶりの4桁下落、あす挽回できるかが重要に

 4日の日経平均は大幅続落。終値は1638円安の37047円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり97/値下がり1528。8月の月次が良かったニトリHDが円高も追い風に大幅高。ABCマート、ユナイテッドアローズも月次を材料に上昇した。物色が保守的に傾く中、スギ、ウエルシア、クスリのアオキなどドラッグストア株に資金が向かった。また、バンダイナムコ、タカラトミー、ハピネットなど玩具株にしっかりとした動きが見られた。ベインキャピタルによる買収観測が報じられた富士ソフトが7%を超える上昇となった。

 一方、ディスコのほか、東京エレクトロン、レーザーテック、アドバンテストなど半導体株が軒並み急落。原油価格下落を受けて、INPEX、出光興産、コスモエネルギーなど、鉱業・石油卸株が派手に下げた。米長期金利の低下を受けて、三菱UFJや三井住友など銀行株が大幅安。株安を受けて野村HDや大和証Gなど証券株の下げが大きくなった。内田洋行は今期の増収増益計画が好感されず、9%を超える下落となった。

 日経平均は大幅安。8月5日に4451円安となって以来の4桁下落となった。米国動向から大きく水準を切り下げることは予想されたが、1000円程度で止まらず1600円近く下げたことは非常に印象が悪い。

 あす挽回できないようだと、日本株は二番底に対する警戒が急速に高まってくる。金曜6日は米8月雇用統計の発表日で、リスク回避姿勢が強まりやすい。あす下落するようなら、金曜は値持ちの良かった銘柄を手じまう動きが出てくるだろう。上昇したとしても中途半端な上げであれば、金曜は楽観的にはなれない。少し先のスケジュールを確認すると、9月の東京市場は16日と23日の月曜が休場で三連休が二度ある。日経平均の上昇基調が止まったのが7月の三連休近辺(7月15日の月曜が休場、日経平均は7月11日が天井)で、相場が荒れると市場の空白リスクが強く意識される。

 日経平均が4桁下落となっても弱いのが半導体株だけであればまだ良かったが、売買代金上位20銘柄では、最も下落率が小さかったファーストリテイリングで2.6%安。三菱UFJもトヨタも三菱重工も前日には跳ねたメルカリも、こぞって大きく売られている。投資家が勇気と知恵を絞って難しい相場の中で買いを入れても、きょうのようになし崩し的な下げが出てくると、今は静観するしかないとの見方が強まってくる。きょうの動きが良かった銘柄があす買われたとしても、日本株の先行き不透明感は払しょくされない。きょう売り込まれた銘柄の中に鋭角的に切り返す銘柄が出てくることが期待される。
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