予想とまとめ

週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、12月CPIに注目
2025/01/18 03:42
◆対円では日銀会合への思惑で不安定
◆ポンド、債券市場を警戒しつつ英賃金動向を見極め
◆加ドル、米新政権の誕生や12月CPIに注目

予想レンジ
ポンド円 188.00-194.00円
加ドル円 106.50-110.50円

1月20日週の展望
 来週のポンドや加ドルの対円動向で重要視すべきは、やはり日銀金融政策決定会合だろう。今週は日銀の氷見野副総裁と植田総裁が、相次いで利上げを示唆する発言をした。一部メディアも複数の関係者の話として「利上げ決定の公算大」と報じ、円高が加速する場面もあった。日銀会合の結果発表は24日であり、それまでは様々な思惑で円相場は不安定になりそうだ。もっとも英国やカナダの材料もあるため、週半ばまではそれらも見定める必要がある。

 英国では21日に雇用データが発表され、その中でも9-11月の週平均賃金を見極めたい。前回8-10月のボーナスを除く分は前年比5.2%と再び上向き始めた。結果次第では、15日の12月消費者物価指数(CPI)を受けて再び浮上した英金利先安観が後退してしまうかもしれない。12月CPIは総じて市場予想を下回り、英中銀が注視するサービス価格インフレ率も前年比4.4%と前回から0.6ポイントも減速した。中銀による今年の0.25%利下げは1回までと予想を縮小してきた市場だったが、インフレ結果を受けて引き下げ回数を2回まで織り込んできた。

 英債券市場の動きも依然として注意深く見ていく必要がある。英政府の財政拡大方針を危惧した長期債売りが今週も先行。英10年債利回りは2008年以来の高水準を再び記録した。借入コスト増により、リーブス財務相の財政計画が破綻するとの懸念も一時高まった。米債の買戻しも支えに週後半は英債も回復しつつあるが、暫くは需給の緩みへの警戒感は燻ったままだろう。

 カナダからは21日に12月CPIが発表予定。前回11月分は前月比で横ばい、前年比では1.9%と共に市場予想を下回った。インフレ減速は経済軟化によるとされ、物価圧力の低下継続が見込まれていたが、12月の雇用統計を経て風向きが変わりつつあるもよう。新規雇用者数は予想や前回値を大きく上回り、失業率も改善した。カナダの金利先安観は若干後退しており、市場では今年前半4回の中銀会合での2回目の0.25%利下げの可能性が低下している。

 カナダにとって目先で警戒すべきは、やはり、米国で新政権が始動することだろう。20日就任するトランプ米大統領がこれまで訴えていた関税強化をどのような形で実行するかに注目が集まる。特に、カナダ産石油の輸出先はほぼ全量が米国向けであるため、原油が枠組みの中に入るかがポイント。一方、カナダ政府は、報復関税の対象とする1500億加ドル相当の米国製品のリストを作成したもよう。米加関係が悪化した場合、経済規模から加ドル安要因となりそうだ。

1月13日週の回顧
 ポンドは英長期債への警戒感から売りが先行し、対円では190円手前、対ドルで1.21ドルまで下落した。一巡後は反動から対円で193円台、対ドルでも1.23ドル台まで回復。ただ日銀の早期利上げ観測から対円では189円後半まで売り込まれ、対ドルも1.21ドル台後半まで緩んだ。

 加ドルは対円で110円前半を戻り高値に107円後半まで弱含み。日銀会合への思惑で円高に振れやすかった。対ドルでは1.44加ドル半ばから1.43加ドル付近まで加ドル高に傾いた。(了)

国内イベントスケジュール

2025/02/03 06:15
3日
08:50日銀金融政策決定会合における主な意見(1月23-24日分)
4日
08:501月マネタリーベース
5日
08:3012月毎月勤労統計(現金給与総額)
6日
08:50対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
10:30田村直樹日銀審議委員、あいさつ
7日
08:3012月家計調査(消費支出)
08:501月外貨準備高
14:0012月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

海外イベントスケジュール

2025/02/03 06:30
3日
09:3012月豪小売売上高
09:3012月豪住宅建設許可件数
10:451月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
16:001月トルコ製造業PMI
16:001月トルコ消費者物価指数(CPI)
17:00シムカス・リトアニア中銀総裁、記者会見
17:3010-12月期香港域内総生産(GDP)速報値
17:301月スイス製造業PMI
17:501月仏製造業PMI改定値
17:551月独製造業PMI改定値
18:001月ユーロ圏製造業PMI改定値
18:301月英製造業PMI改定値
19:001月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
19:001月ユーロ圏HICPコア速報値
23:451月米製造業PMI改定値
24:0012月米建設支出
24:001月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
4日
02:30ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
中国(旧正月)、メキシコ(憲法記念日)、休場
06:4512月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
08:30ムサレム米セントルイス連銀総裁、あいさつ
24:0012月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
24:0012月米製造業新規受注
24:001月メキシコ製造業PMI
5日
04:00デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
中国(旧正月)、休場
06:4510-12月期NZ失業率/就業者数増減
10:451月Caixin中国サービス部門PMI
16:4512月仏鉱工業生産
17:501月仏サービス部門PMI改定値
17:551月独サービス部門PMI改定値
18:001月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
18:301月英サービス部門PMI改定値
19:0012月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
21:00MBA住宅ローン申請指数
22:151月ADP全米雇用報告
22:3012月カナダ貿易収支
22:3012月米貿易収支
23:00レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
23:00バーキン米リッチモンド連銀総裁、イベントに参加
23:451月米サービス部門PMI改定値
23:451月米総合PMI改定値
24:001月米ISM非製造業指数
6日
00:30EIA週間在庫統計
01:0012月ロシア失業率
03:00グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
09:3012月豪貿易収支
15:451月スイス失業率(季節調整前)
16:0012月独製造業新規受注
16:001月スウェーデンCPI
16:30ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
18:301月英建設業PMI
19:0012月ユーロ圏小売売上高
21:00英中銀(BOE)、政策金利発表
21:00英中銀MPC議事要旨
21:301月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
22:3010-12月期米非農業部門労働生産性・速報値
22:3010-12月期米単位労働コスト・速報値
22:30前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
24:001月カナダIvey購買部協会景気指数
7日
04:00メキシコ中銀、政策金利発表
ニュージーランド(ワイタンギ・デー)、休場
13:30インド中銀、金融政策決定会合
16:0012月独鉱工業生産
16:0012月独貿易収支
16:4512月仏貿易収支
16:4512月仏経常収支
17:001月スイスSECO消費者信頼感指数
17:45デギンドスECB副総裁、講演
21:001月メキシコCPI
22:301月カナダ雇用統計
22:301月米雇用統計
24:002月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
24:0012月米卸売売上高
8日
03:001月ブラジル貿易収支
05:0012月米消費者信用残高
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
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