株式明日の戦略-6月は幸先良いスタート、利食い売りをこなして上昇基調が続く

 6月に入り1日の日経平均は大幅反発。終値は260円高の31148円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり948/値下がり805。ソフトバンクGが4.6%高。ソシオネクスト、レーザーテック、ルネサスなど半導体関連の動きが良かった。三菱商事は全体の気迷いムードが強かった序盤から大幅高となっており、押し目買いを呼び込むような役目を果たした。トヨタは伸び悩んだものの、米国での自動車電動化への取り組みが評価され、円安が一服する中でも強く買われる場面があった。Abalanceが商いを伴って急騰し、一時ストップ高。上方修正と増配を発表した菱洋エレクトロがストップ高となり、中期経営計画を発表したゼネテックがストップ高比例配分となった。

 半面、為替の円高が嫌気されて三菱自、マツダ、日産自など自動車株の多くが下落。ブリヂストンや横浜ゴムなどタイヤ株も全般軟調となった。4月の月次が失望を誘ったまんだらけが急落。経産省の「輸出貿易管理令の一部を改正する政令」の影響で一時的に製品の海外出荷を保留する対応を行っていると公表したイーディーピーがストップ安比例配分となった。

 日経平均は大幅高。きょうは米国の債務上限停止法案が注目材料になるかと思われたが、法案が下院で可決されたニュースを消化した直後には急失速した。そうなると、きょうの上昇に関しては、きのうが下げすぎた分の反動と考えるのが自然である。5月に作った巨額の貯金を最終日に少しだけ取り崩して、6月を大幅高でスタートする。非常に理想的な流れになっている。

 米国ではあす、5月の雇用統計が発表される。強ければインフレ長期化が意識されるという点では警戒しておく指標ではある。ただ、直近で出てきたFRBメンバーの発言からは、6月利上げのトーンがそこまで上がっているわけではない。また、仮に利上げが強く意識されるような結果が出てきたとしても、その際には金融株やバリュー株が見直されるであろうから、今の日本株のブル基調が大きく崩れる可能性は低い。日経平均はきょう、米国株安を受けても下げるどころか強く買われたことで、今週も週間上昇の期待が高まっている。6月も視界は良好だ。
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