株式明日の戦略-アドバンテストが株高に貢献、ベア派を委縮させる上昇に

 25日の日経平均は3日ぶり反発。終値は118円高の30801円。米国株安を受けて下落スタート。開始直後には下げ幅を3桁に広げた。しかし、米国でエヌビディアの好決算が確認できたことを手がかりに半導体関連に買いが入り、中でもアドバンテスト<6857.T>が派手に上昇。こういった動きを見て指数も早々にプラス圏に浮上すると、一転して上げ幅を3桁に広げた。後場の開始直後には200円超上昇する場面もあったが、30900円には届かず上値が重くなった。一方、萎んだところでは改めての買いが入り、3桁の上昇で取引を終えた。プライムでは値下がり銘柄が多く、TOPIXは小幅に下落した。マザーズ指数が1%を超える下落と、やや大きめの下げとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆4600億円。業種別では電気機器、金属製品、ガラス・土石などが上昇している一方、海運、銀行、保険などが下落した。きょうの主役となったアドバンテストは16.2%高。154円程度日経平均のプラスに寄与した。半面、証券会社が投資判断を引き下げたソースネクスト<4344.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり726/値下がり1010。アドバンテストの上昇が目立ったが、他にも東京エレクトロン、SCREEN、SUMCOなど半導体関連の主力銘柄が大幅高。関連の深掘りが進み、芝浦メカ、東京精密、新電工、ソシオネクスト、日本マイクロニクスなどが騰勢を強めた。業務提携に関するリリースを材料にウェルプレイドがストップ高。宇宙ベンチャーのアイスペースが20%近い上昇となった。

 半面、海運株が弱く、川崎汽船が4%安。三菱UFJ、三井住友、第一生命など金融株が軟調となった。為替市場では円安が進んだが、トヨタ、スズキ、三菱自など自動車株はこれを好感できずに下げるものが多かった。JR東海、西武HDなど鉄道株が連日で軒並み安。第一三共が4%を超える下落となった。

 日経平均は3日ぶり反発。アドバンテストの貢献度が非常に大きかったし、半導体株の中でなぜアドバンテストだけが突出した上げとなったのかについては理解に苦しむところもある。しかし、きょうの上昇は大きい。月曜まで8日続伸した後、3日続落となっていたとしたら、金曜は買いが手控えられて売りだけが急がれる。しかし、下げそうな日に下げなかったどころか、主力どころの銘柄がまるで中小型株のように急騰して指数にも好影響を与えたことで、売りを仕掛けるリスクが高まった。本日の米国市場でナスダックがエヌビディア効果により上昇するであろうことは、先んじて織り込んでいる。アドバンテストはあすは反動で売られるかもしれない。それでも、米国株が下げないのであれば日本株を売り急ぐ理由は乏しい。きょうの終値は30801円。先週末5月19日の終値は30808円で、ここまではほぼフラット。週間プラスで終われるようなら、来週は売り圧力が相当和らぐ展開が期待できる。
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