株式明日の戦略-安寄り後はブル派とベア派のせめぎ合い、あすの方向性が重要に

 24日の日経平均は大幅続落。終値は275円安の30682円。米国株安を受けて、寄り付きから200円を超える下落。安く始まった後はマイナス圏で強弱感が交錯した。序盤ではすぐに切り返したが、下げ幅を2桁に縮めるかというところでは売り直された。そこからしばらくは下を試す流れとなり、後場のスタート直後には下げ幅を400円近くに広げた。30500円は割り込むことなく持ち直し、以降はじわじわと値を戻したが、引けにかけては再び売り直され、寄り付き(30728円)をやや下回って取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆1800億円。業種別では鉱業、電気・ガス、輸送用機器などが上昇している一方、空運、陸運、サービスなどが下落した。証券会社が目標株価を引き上げたソシオネクスト<6526.T>が商いを伴って急伸。半面、指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>とソフトバンクグループ<9984.T>が大きめの下げとなった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり603/値下がり1134。前日急落したトヨタが5.4%高と大幅上昇。米エヌビディアの決算発表を前に、レーザーテックに思惑買いが入った。バリュー系の業種が買われており、原油高を手がかりにINPEXや石油資源開発が大幅上昇。日本製鉄など鉄鋼株や、三菱UFJなど銀行株の動きも良かった。今期の最終増益および復配計画が好感された中国電力が値を飛ばし、東北電力、関西電力、北陸電力など同業がそろって騰勢を強めた。

 半面、前日大幅高となったリクルートが一転大幅安。中国のコロナ感染再拡大が伝わり、資生堂、OLC、三越伊勢丹、パンパシHD、マツキヨココカラなど、インバウンドの恩恵が大きいとみられている銘柄群が軒並み値幅を伴った下げとなった。直近で強く買われていたぷらっとホームやシャノンが急落。米国の民事訴訟に関して支払い責任が生じることになったと発表した日本ケミコンは、売りが殺到してストップ安比例配分となった。

 日経平均は続落。寄り付きは30728円、高値30856円は9時23分、安値30566円は12時30分につけて、終値は30682円。寄り付きからはほとんど水準が変わらず、かつ、高値と安値のほぼ中間で取引を終えており、ブル派とベア派がせめぎ合い続けた1日となった。トヨタの大幅反発や、バリュー株が強く全面安とならなかったことなどは好材料。一方、5日線(30821円、24日時点、以下同じ)をあっさり割り込んだことや、31000円が遠のいたこと、インバウンド関連が崩れたことなどは警戒材料となる。

 短期の視点では、あすの値動きが非常に重要。もう一段売られた場合には、金曜26日は週またぎのリスクが強く意識される。ただし、長い下ヒゲをつけるような終わり方であれば、目先の売り一巡感が出てくる可能性もある。流れ的にいったんは調整が必要となりそうだが、それが値幅になるのか日柄になるのかを見極めていく局面。25日線は29349円に位置しており、値幅なら先々で3万円割れもあり得る。30500円辺りまでで踏みとどまることができるかに注目したい。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。